2023-01-01から1年間の記事一覧

糖尿病の血糖値を下げる薬

**1. 内服薬** 糖尿病の血糖値を下げる内服薬には、以下の種類があります。 * **スルホニル尿素薬** スルホニル尿素薬は、膵臓からインスリンを分泌させる薬です。インスリンは、血糖値を低下させるホルモンです。 スルホニル尿素薬は、1型糖尿病と2型糖尿病…

睡眠時間と、認知予防とアミロイドβと老化予防の関係

**1. 認知予防と睡眠時間の関係** 睡眠時間は、認知機能と密接に関連しています。十分な睡眠をとることは、認知症の発症リスクを低下させることが示されています。 例えば、2017年に発表されたコホート研究では、1日7時間以上の睡眠をとる人は、1日5時間未満…

骨粗鬆症の予防と改善について

**1. 牛乳の摂取量と骨粗鬆症のリスク** 牛乳の摂取量と骨粗鬆症のリスクの関係は、多数の研究で調査されてきました。これらの研究結果は、牛乳の摂取量が骨粗鬆症のリスクを低下させることを示唆しています。 例えば、2019年に発表されたコホート研究では、…

歩行開始時と歩行中の脳機能の違いに対する脳機能学的なアプローチ

歩行開始時と歩行中の脳機能の違いに対する脳機能学的に有効なアプローチを以下に示します。 **歩行開始時** * **一次運動野の賦活化**:一次運動野は、筋肉に運動指令を送る部位です。歩行開始時には、一次運動野の賦活化を促進することで、歩行の開始をス…

歩行開始時と歩行中に脳で働く部位は異なる

歩行開始時と歩行中に脳で働く部位は異なります。 歩行開始時は、一次運動野、前頭前野、基底核、小脳などが働きます。一次運動野は、筋肉に運動指令を送る部位です。前頭前野は、運動計画や運動実行の制御に関与する部位です。基底核は、運動の滑らかさや調…

靭帯への徒手的リリースにて痛みが軽減する要因

靭帯の痛みに対して徒手的にリリースすることで痛みが軽減する理由は、以下のメカニズムが考えられます。 * **筋膜の緊張の緩和** 靭帯は、筋膜に囲まれた組織です。筋膜が緊張すると、靭帯にも負担がかかり、痛みを引き起こすことがあります。徒手的なリリ…

「筋」より「筋膜」がより痛みを出しやすい理由

筋より筋膜がより痛みを出しやすいことを示唆するエビデンスや根拠は、いくつかの論文によって報告されています。そのうちの一部を紹介します。 1. **筋膜の痛みは、筋の痛みよりも一般的である** 筋膜の痛みは、筋の痛みよりも一般的であることがいくつかの…

静的立位バランス能力と動的立位バランス能力の相関と非相関、因果関係について

静的立位バランス能力と動的立位バランス能力の相関と非相関、因果関係について、各項目ごとに詳しく説明します。 **1. 静的立位バランス能力と動的立位バランス能力の相関** 静的立位バランス能力と動的立位バランス能力は、一定の相関関係があることが知ら…

脳梗塞の血栓融解の点滴治療(tPA)の適応時間

脳梗塞の血栓融解の点滴治療(tPA)の適応時間は、発症から4時間30分以内 tPAは、脳梗塞を引き起こした血栓を溶かす薬剤ですが、発症から時間が経つにつれて、脳のダメージが大きくなり、tPAの効果が低下します。そのため、tPAの投与は、発症から4時間30分以…

呼吸苦が、心不全由来か呼吸不全由来かを判断するポイント

呼吸苦が、心不全由来か呼吸不全由来かを判断するポイントは、以下の通りです。 **1. 誘因** 心不全由来の呼吸苦は、労作時や安静時など、さまざまな状況で出現することがあります。一方、呼吸不全由来の呼吸苦は、主に安静時や睡眠中に出現することが多いで…

COPD患者における低酸素状態と錯乱行動の関係

COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、肺の気流を制限する進行性の肺疾患です。 COPDの重症化に伴い、低酸素状態になることがあり、これが錯乱行動を引き起こす可能性があります。 COPDからの低酸素による錯乱行動には、以下のようなものがあります。 * 混乱 * 興奮 …

心不全由来の喘鳴と喘息由来の喘鳴の違い

心不全由来の喘鳴と喘息由来の喘鳴の違いは、以下の通りです。 **心不全由来の喘鳴** * 喘息の喘鳴よりも、より低い音である。 * 夜間や安静時に悪化する傾向がある。 * 鼓膜に圧迫感や膨張感を感じる。 * 呼吸困難、浮腫、疲労などの他の心不全の症状を伴う…

「息苦しい」という訴えから, 「心不全」と「呼吸不全」を見極める

心不全でも呼吸不全でも現れる「息苦しい」という訴え。 心不全と呼吸不全のいずれによるものなのか= 臨床でどのようにアセスメントすればよいのか、手順を追って具体的にみていきましょう。 息苦しさ=呼吸困難感は、 呼吸不全や心不全のどちらでも出現する…

*筋筋膜性疼痛症候群(MPS)の症状、原因とリスク要因

筋筋膜性疼痛症候群(Myofascial Pain Syndrome、MPS)は、筋肉(muscle)とその周囲を覆う薄い結合組織である筋膜(fascia)と関連している状態です。 筋膜は体の各部を包み込む連続した結合組織のネットワークで、身体の構造的なサポートと役割を果たして…

生理学的理解:筋膜の働きと重要性

筋膜の生理学的理解 筋膜とは、その名のとおり、筋肉を包む膜のことですが、筋全体を覆っている最外層の筋上膜と、いくつかの筋線維を束ねてそれを覆っている筋周膜、さらには個々の筋線維を包む筋内膜という3種類の筋膜に分けられます。 そのなかでも、筋…

T字杖への荷重量の変化が 片脚立位時の安定性と下肢筋活動に与える影響

「はじめに」 本研究は、T字杖への荷重量が片脚立位時の安定性と下肢筋活動に及ぼす影響を解明することを目的とした。過去の研究から、T字杖は歩行や姿勢の安定に有効な補助具であるが、適切な荷重量に関する具体的なガイドラインは明確ではない。この研究は…

体温の変動と心拍数の関係: 感染か一時的な熱かを見分けるためのΔ心拍数20ルール

体温と心拍数 Q離床前の患者さんの体温が高いときに、感染による発熱か、一時的に熱がこもっているだけか悩むことがあります。見分けるコツはありますか? Aご質問のように、寒がりの人で厚着をしていたり、電気毛布を使っていると、体温が高く表示されて感…

心不全と運動時の不整脈

心不全の患者さんで運動時に生じる危険な不整脈を認識するためには、以下のような症状に注意する必要があります。 これらの症状は、潜在的に重篤な不整脈や他の心臓問題を示唆している可能性がありますので、これらの兆候がある場合は直ちに医療機関を受診し…

慢性心不全患者の運動時フィジカルアセスメントの主なポイント

重度の慢性心不全患者の運動時フィジカルアセスメントの主なポイントは次の通りです。 基本的なバイタルサインの評価: 安静時の心拍数、血圧、呼吸数、体温、酸素飽和度を測定します。 心機能の評価: 聴診による心臓音の評価や運動に先立つ心電図(ECG)モニ…

左心不全と右心不全

・慢性心不全が急性増悪 (代償機序が破綻) すると急性心不全になる。 ・代償機序が破綻し、心不全の原因となった因子を聴取したり、カルテより抽出することは再発予防 ためにも重要である 慢性心不全 症状,理学所見 ・心不全の症状は、左心不全症状と右心不…

心不全の進行をフィジカルアセスメントからとらえる方法

フィジカルアセスメントの際には心不全の進行を判定するためにいくつかの指標を評価します。これらの指標は個々の患者で症状や徴候が多様であるため、総合的な視点から評価する必要があります。 以下に主な指標を示します: 呼吸状態:呼吸数の増加(通常、成…

血圧が低下すると心不全の症状はどのように変化するか

心不全において血圧が低下すると、様々な症状が変化し、個々の症状が悪化することが一般的です。 以下は、血圧が低下したときに見られる可能性のある心不全の症状の変化です。 疲労と弱さ:低血圧は体全体への血流が減少していることを意味するため、酸素と栄…

心不全の進行と血圧の低下の関係

心不全の進行と血圧には複雑な関係があります。 心不全とは、心筋が体全体に血液を送り出すのに必要な動力を提供することができなくなる状態です。通常、心臓は体の需要に応じて血流を調節する能力を持っていますが、心不全が進行すると、この調節能力が低下…

心不全患者における労作時の喘鳴、呼吸苦、チアノーゼの関連性

心不全患者で歩行によって喘鳴、呼吸苦、チアノーゼが出現する場合、それは労作時に心臓のポンプ機能が体の要求する酸素量に応じられないことを示しています。 労作時は心臓に対する需要が増加し、特に心不全がある場合はその要求に対応できません。これが患…

低酸素の有無をどのようにアセスメントすればよいか?

臨床において、パルスオキシメーターの誤差が生じたり、血ガスデータがない場合があります。 そのような場合は、症状から低酸素血症の重症度を推定するこができるため、フィジカルアセスメントを活用し、状態の把握に努めることが大切です。 動脈血酸素分圧…

持久力トレーニングによる身体の変化

1. 持久力トレーニング 持久力トレーニングは毛細血管数を増加し、この適応変化には年齢や性による差はほとんどない。 毛細血管の増殖開始は早く、実験動物では刺激開始から数日で酸化代謝機能の高い筋線維まわりに増殖がはじまり、筋の代謝活性の増加とほぼ…

心疾患に対する運動療法ガイドライン

運動療法の身体的効果 運動療法は、心臓リハビリテーションの中心的な役割を担っており,さまざまな身体効果が証明されている。 主たる効果は運動耐容能の増加であり,労作時呼吸困難や疲労感などの心不全症状や狭心症発作など、日常生活における諸症状を軽減…

腰椎レベルの筋

腰椎周囲筋群の機能には、脊椎の運動、姿勢の維持、脊椎のバランス機構がある。 腰椎伸筋群は、胸腰筋膜により被覆されてコンパートメントを形成している。 腰椎伸筋群は多裂筋と脊柱起立筋に大別される。 上位腰椎では脊柱起立筋の方が 断面積は広く、中位…

エキセントリックトレーニングと低強度の負荷

要約 エキセントリックトレーニングは、低強度の負荷でも筋力や筋肉量が増す これまでの筋力トレーニングの常識 一般的にトレーニングで筋力を増加させたり筋肥大を起こすには、最大筋力、または1RMの 60%以上の負荷が必要と考えられています。 こ れは8~12…

平衡訓練/前庭リハビリテーションの基準

前庭リハビリテーションとは 一側の末梢前庭が障害されると,めまいや平衡障害が出現するが,前庭代償により次第に回復する。 しかし,前庭代償が遅延してめまい・平衡障害が持続する例も少なくない。 前庭代償が遅延し,頭部や 身体の動きによりめまい・平…