2023-01-01から1年間の記事一覧

トリガーポイント

筋膜系は体全体に広がり、筋膜はあらゆる筋肉と骨を取り囲んで、体に痛みを警告する感覚、運動、自律神経の信号を受け取ります。 トリガーポイント (TrP) または筋筋膜トリガーポイント (mTrP) として知られる過敏性の「結節」が特定されており、最初は「明…

慢性脳卒中への歩行リハは高強度が有効

概要 米Cincinnati大学のPierce Boyne氏らは、慢性脳卒中患者の歩行リハビリに最適な運動強度と期間を検討するために、12週間にわたって高強度インターバルトレーニング(HIIT)と中強度エアロビックトレーニング(MAT)のランダム化比較試験を行い、HIIT群…

インターバル速歩の効果

インターバル速歩とは インターバル速歩とは「さっさか歩き」と「ゆっくり歩き」を数分間ずつ交互に繰り返すウォーキング法1)です。 インターバル速歩は、信州大学大学院特任教授であり、NPO法人熟年体育大学リサーチセンター副理事(2020年10月時点)の能勢博…

高強度インターバル・ウォーキング・トレーニングが中高年の体力と血圧に及ぼす影響

目的高強度インターバルウォーキングトレーニングが、中強度連続ウォーキングトレーニングよりも大腿筋力およびピーク有酸素容量を増加させ、血圧を低下させるかどうかを検討すること。 参加者と方法2004年5月18日~2004年10月15日(5ヵ月間の研究期間)、平…

高強度の歩行時間は、中高年者および高齢者のインターバルウォーキングトレーニング後の体力を高め、健康転帰を改善するための重要な決定要因

要約 増木静江教授(バイオメディカル研究所)らのグループは679名の中高年者(男性196名、女性483名、平均年齢65歳)を対象にインターバル速歩を5ヶ月間指導し、その前後に体力(最高酸素摂取量)と生活習慣病の症状を評価しました。 インターバル速歩とは…

横歩き時間と動的バランス能力との関連性

〔目的〕 横歩き歩行時間が動的バランス能力の指標として利用できるかについて,再現性の検討,また既存のバランス指標との比較検討を目的とした.〔対象〕屋外独歩可能な 65 歳以上の高齢者 26 名(男性 8 名・女性 18 名). 〔方法〕 横歩き歩行時間,開…

パーキンソン病患者の小刻み歩行に対する横歩きの即時効果

【目的】パーキンソン病の歩行障害のうち、すくみ足の改善に対しての報告を目にすることはあるが、小刻み歩行の改善に対しての報告は少ない。パーキンソン病での歩行は健常人の歩行と比較して、左右への重心移動が少なく、この結果、振り出しが困難となって…

すくみ足・小刻み歩行を呈するパーキンソン病患者に対する歩行訓練

要 旨パーキンソン病 患者 に対する歩行訓練の 効果 を検討する目的で ,パーキンソン病患者 と健常人との 体幹・下肢の筋活動及び重心移動を比較・検討した。 パーキンソン病患者の 筋活動 は歩行時持続性の 高い筋活動 を認め,その際左右への重心移動は …

パーキンソン病の歩行とバランスに対する多方向トレッドミルトレーニングの急性および長期的影響

要約バックグラウンド: トレッドミルトレーニングは、パーキンソン病(PD)の人の歩行とバランスを改善するための有望なリハビリテーション戦略であることが示されています。ほとんどの研究は、介入として前方歩行のみを含んでいた。多方向トレッドミル(前方…

パーキンソン病の転倒を減らすための歩行とステップトレーニング

要約紹介: パーキンソン病(PD)の個人では、病気が進行するにつれて、頻繁な転倒と怪我のリスクが明らかになります。特発性PDにおける転倒の発生率を低下させる介入の報告はない。 目的: PDの個人における歩行およびステップ摂動トレーニングの利点を評価し…

寝たきりによる血便の要因

Q.高齢者で臥床傾向の患者さんは、血便が出やすくなるって本当ですか? A.本当です。寝たきりによる血便の要因は、直腸の虚血です。 直腸が虚血になる要因は、寝たきりによって引き起こされる「脱水」と「便秘」です。 高齢者はベースが脱水である上に、臥床…

すくみ足・小刻み歩行を呈するパーキンソン病に対する歩行訓練

要 旨パ ーキンソン病患者に対する歩行訓練の効果を検討する 目的で ,パ ーキ ン ソ ン 病患者 と健常人 との 体幹・下肢の筋活動及び重心 移動を比較 ・検討した。 パ ーキンソン病患者の 筋活動 は歩行時持続性の 高い筋活動 を認め,その際左右への 重心…

短時間の軽運動で高齢者の記憶力が向上

流通経済大学・筑波大学などの研究チームは、軽運動を 10 分間行うことで記憶力が即時的に向上することを健常高齢者において初めて明らかにしました。また、運動時に瞳孔径を計測した結果から、記憶力向上のメカニズムとして脳内の覚醒機構が関与する可能性…

夕暮れ症候群のある認知症

眠気には深部体温(脳の温度)が深く関わっています。 成人の場合、平均すると午後9時前後に脳温が最も高まり、それ以降、急激に低下することで眠気が強まるのですが、高齢者はこのリズムが若い頃に比べて早まり、早寝早起き型になります。 とりわけ、夕暮れ…

ダーメンコルセットの効果

ダーメンコルセットのエビデンスが載っている論文をいくつかご紹介します。 【論文タイトル】Effect of a low-profile thoracolumbar orthosis on pain, function, and quality of life in patients with chronic low back pain: a randomized controlled tr…

こんにゃく由来グルコシルセラミド摂取による脳内アミロイドβ蓄積に対する抑制効果の探索的試験

目的 アルツハイマー病(AD)は、記憶障害や認知機能低下により社会生活に悪影響を及ぼす認知症の一種である。こんにゃく由来のグルコシルセラミドをADモデルマウスに経口投与すると、アミロイドβの脳内蓄積が抑制され、認知能力が改善することが知られてい…

脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症は、医学的には「腰部脊柱管狭窄症」という名称が正式です。 神経の走る空間が狭くなる病状です。 脊柱管とは、イメージしやすいように簡単に言うと、背骨の中にあるトンネル(脊髄神経)のことで、そこには脳から続いている脊髄神経が通ってい…

脱水と低血圧と頻脈と高齢者

脱水症の症状 「脱水症」とは、体内の水分が足りない状態のことをいいます。 「脱水」になると、自覚症状としては口の渇きや体のだるさ、立ちくらみなどを訴えることが多いです。皮膚や口唇、舌の乾燥、皮膚の弾力性低下、微熱などが起こります。そのほかに…

棘下筋に対する8週間の低強度・低速運動による肩関節外旋エクササイズの効果

ABSTRACT 一般に、棘下筋の選択的トレーニングとして低強度トレーニングが推奨されている。本研究では、低強度でゆっくりとした動作の肩の外旋運動を8週間介入することで、肩の外旋に伴う筋力および棘下筋の断面積(CSA)の増加につながるかどうかを検討する…

上殿皮神経の皮膚枝と特に大腿筋膜張筋の神経について

ABSTRACT 日本人成人屍体 23 体のハ ー フベルプ 39 個(右個、左幻個)を用いて、上殿皮神経からの皮膚枝を研究した。枝の詳細な記述は現在のところ文献にはない。これらの枝のほとんどは大腿筋膜張筋を貫通し、外側臀部の中央に分布していた。 ※上殿皮神経障…

皮下組織と外側広筋間の滑走の定量的解析 - 筋膜の密な結合組織の影響

はじめに: 結合組織の厚さは痛みと関連していることが示されています (Stecco et al., 2014)。しかし、筋膜の厚さと滑走の関係はまだ不明です。さらに、滑走と運動リズムや手足の位置との間の影響は明らかではありません。 方法: セラピストは、2 つの一定…

股関節屈曲の制限

臨床で良く遭遇する股関節屈曲制限因子 臨床で、大殿筋が制限因子になる事は、ほとんどありません。 多いのは次の3つ ①大腿方形筋 ②大内転筋 ③中殿筋 ①大腿方形筋 大腿方形筋は深層外旋六筋の一つであり、一見屈曲制限と関係なさそうですが、下の図のように…

非特異的腰痛の評価方法

伸展で痛い場合 伸展で痛い場合は、 ・腰椎椎間関節性疼痛 ・脊柱管狭窄症 ・筋の収縮時痛 等が考えられます。何故これらの病態が考えられるかを説明します。下の図を見てください。 左の図は腰椎伸展位での椎間関節、右は腰椎屈曲位での椎間関節を表してい…

運動のアルツハイマー病予防効果の仕組み

はじめに 運動がアルツハイマー病のリスクを減少させる要因が、ホルモンのイリシンにあることが分かったとの研究結果が、米マサチューセッツ総合病院の研究チームにより発表された。 イリシンは、運動中に体内を循環するホルモン。学術誌Neuron(ニューロン…

膝痛の原因

変形性膝関節症の正体 変形性膝関節症は、特定の組織の症状を示す病名でない。 あくまで、レントゲンやエコー検査画像に映る軟骨や骨の変形を表しているにすぎず、単なる病名にあたります。 そのため、実際にどの組織が痛みを感知しているかは示していません…

認知症のリスク要因としての2型糖尿病

目的: 2型糖尿病は、男性よりも女性の心血管疾患の過剰なリスクをもたらします。糖尿病も認知症の危険因子ですが、協会が女性と男性のどちらで類似しているかは不明のままです。未発表のデータのメタ分析を行い、糖尿病の女性と男性との性別の関係を推定しま…

血圧低下にアイソメトリックトレーニングが最適

概要 1万6,000人弱を組み入れた270件の無作為化試験の系統的レビューおよびメタ解析において、血圧を低下させる最も有効な運動法としてアイソメトリック(等尺性筋収縮または静的)トレーニングが浮上した。 結論 本結果は、血圧コントロールに対する新たな…

認知症または認知障害を伴う血圧低下の関連付け

質問降圧療法による血圧低下と認知症または認知障害の発生率との間には関連がありますか? はじめに高血圧は、特に中年期に、認知症と後年の認知障害に関連しています。1,2,3,4 一部の無作為化臨床試験では、血圧–下降治療による認知症のリスクが低いことが報…

コンピュータ化されたゲームとクロスワードトレーニング

背景 軽度の認知障害( MCI )は認知症のリスクを高めます。MCI患者における認知トレーニングの有効性は不明です。 高齢者では、軽度の認知障害( MCI )が認知症、特にアルツハイマー病への進行のリスクを高めます。1 認知的に活発なライフスタイルは、認知機能…

半側空間無視6

ニューロモディレーション技術の応用 近年では、反復経頭磁気刺激(rTMS)や経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を用いたニューロモディレーション・アプローチも積極的に導入され、一定の臨床効果をあげている。例えば、急性期ー慢性期脳卒中患者を対象にして、非病巣…