姿勢制御

立ち上がり動作において、主要な筋群とその貢献割合

立ち上がり動作において、主要な筋群とその貢献割合は以下の通りです。 大腿四頭筋(Quadriceps femoris): 約40%〜50% 大腿四頭筋は大腿部の表面にあり、膝関節を伸展させる役割を果たします。立ち上がりの際に膝を伸ばす動作に主に関与し、身体を立ち上…

立位バランスに必要な様々な感覚の貢献割合

立位バランスを維持するためには、主に三つの感覚系が関わっています:視覚、前庭感覚(内耳にある平衡感覚)、そして前述した固有感覚(プロプリオセプション)。これらの感覚系が相互に情報を統合し、身体の安定を維持します。若年者と高齢者でのこれら感…

矢状面での姿勢制御における足関節の役割

矢状面における姿勢制御に関与する関節の貢献割合 矢状面(前後方向)の姿勢制御に関与する関節の貢献割合は、以下の論文で報告されています。 "Contribution of Ankle, Knee, and Hip Strategies to Balance Control During Quiet Standing in Young and El…

加齢に伴う下肢筋力の低下と、矢状面での姿勢制御能力に与える影響

加齢に伴う下肢筋力の低下が、矢状面での姿勢制御能力に与える影響については、いくつかの研究から以下のことがわかっています。 足関節Jonkers et al. (2003)の研究では、高齢者は若年者に比べ、立位時の足関節底屈筋力が低下していることが報告されていま…

前額面における姿勢保持と股関節の役割

前額面での姿勢保持に関与する主要な関節とその働きの割合については、以下の研究結果が参考になります。 Sawai et al. (2020)の研究では、側方ステップ動作時の関節モーメントを解析しています。その結果は以下の通りです。 股関節: 体重移動期: 60%支持脚…

バランス能力の向上に効果的な側方からの昇降運動

側方からの昇降運動は、前方からの昇降運動と比較して、以下の理由からバランス能力の向上により効果的です。 動的姿勢制御能力の向上側方からの昇降では、重心の移動が前額面で生じるため、体幹と下肢の筋群が前額面での姿勢制御に働きます。これにより、動…

静的バランス能力と動的バランス能力は、メカニズムが異なる

静的バランス能力と動的バランス能力は、どちらもバランスを維持する能力ですが、そのメカニズムは異なります。 静的バランス能力とは、静止した状態を維持する能力のことです。片足立ちや、目を閉じて立っている状態を維持する能力などが含まれます。静的バ…

静的バランスと動的バランスと転倒リスクの因果関係

静的バランスと動的バランスは、転倒リスクと密接に関連しています。 静的バランスとは、静止した状態を維持する能力のことです。片足立ちや、目を閉じて立っている状態を維持する能力などが含まれます。 動的バランスとは、移動しながらバランスを維持する…

ライトタッチがバランス制御能力を改善するメカニズム

ライトタッチがバランス制御能力を改善するメカニズムは、以下の通りです。 1. **体性感覚入力の増加:** ライトタッチは、杖を地面に軽く触れることで、杖を介して体性感覚入力を増加させます。これにより、脳は身体の位置や姿勢に関する情報をより多く得る…

ライトタッチを利用した杖歩行の練習

ライトタッチを利用した杖歩行練習は、杖歩行の安定性を向上させ、転倒のリスクを減らすのに有効であることが示されています。 **ライトタッチを利用した杖歩行練習の有効性** * **高齢者を対象とした研究**では、ライトタッチを利用した杖歩行練習を行った…

静的立位バランス能力と動的立位バランス能力の相関と非相関、因果関係について

静的立位バランス能力と動的立位バランス能力の相関と非相関、因果関係について、各項目ごとに詳しく説明します。 **1. 静的立位バランス能力と動的立位バランス能力の相関** 静的立位バランス能力と動的立位バランス能力は、一定の相関関係があることが知ら…