血圧が低下すると心不全の症状はどのように変化するか

 

心不全において血圧が低下すると、様々な症状が変化し、個々の症状が悪化することが一般的です。

以下は、血圧が低下したときに見られる可能性のある心不全の症状の変化です。

 


疲労と弱さ:
低血圧は体全体への血流が減少していることを意味するため、酸素と栄養素の配給が不十分となります。これにより、患者はより疲れやすくなったり、体の弱さを感じたりすることがあります。

 


呼吸困難:
血圧が低下すると心拍出量が減り、体への十分な酸素の供給が困難になります。これは呼吸困難や運動時の息切れの増加につながり、安静時にも呼吸困難を感じることがあります。

 


意識レベルの変化:
脳への血流減少は、注意力の低下、意識の混濁、混乱といった中枢神経系に影響を及ぼすことがあります。

 


めまいやふらつき:
血圧が十分でないと、立ち上がるときにめまいやふらつき、場合によっては失神に至ることがあります(起立性低血圧)。

 


胸の不快感や痛み:
低血圧は冠動脈血流の低下を引き起こし、虚血を誘発することがあります。胸部の不快感や心筋虚血による痛みを感じることがあります。

 


体重の変化:
体液の停滞や血液の体内分布の変化により、体重が急激に増加したり減少したりすることがあります。

 


末梢への影響:
低血圧は末梢組織への酸素供給の低下を意味するため、冷たく、青白い、または潮紅した皮膚を観察することがあります。

 


腎機能の低下:
低血圧の持続は腎血流の低下を招き、尿生成の減少や最終的には腎不全を起こす可能性があります。

 


徐脈または不整脈:
心臓出力の低下に伴い、補償機構として心拍数が変化することがあります。過度の低血圧では徐脈や不整脈が起こることがあります。

 

 


低血圧に伴うこれらの症状は、心不全患者さんにとってさらなるリスクをもたらす可能性があり、緊急の医療対応が必要になることもあります。

 

心不全患者さんで血圧が低下している場合は、迅速な治療と調整が必要です。

 

医療提供者は、これらの症状を常に監視し、必要に応じて利尿薬、ACE阻害薬、β遮断薬、アンギオテンシン受容体ブロッカー(ARB)などの用量調整や他の治療方法を検討します。