2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

半側空間無視6

ニューロモディレーション技術の応用 近年では、反復経頭磁気刺激(rTMS)や経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を用いたニューロモディレーション・アプローチも積極的に導入され、一定の臨床効果をあげている。例えば、急性期ー慢性期脳卒中患者を対象にして、非病巣…

半側空間無視5

USNに対する従来型臨床介入 USNに対する特異的な介入方法として、多くのアプローチがこれまで行われてきた。その方法は、トップダウンアプローチとボトムアップアプローチに大別される。 トップダウンアプローチは意識的な再学習や代償のことであり、主には…

半側空間無視4

従来型のUSNの評価とその扱い USNの評価には、線分抹消試験を含んだ行動性無視検査(BIT)が広く使用される。この検査で、包括的な無視症状の把握が可能になる。しかし、机上検査結果と生活上の無視症状の乖離が指摘されている。中でも、慢性期では、BITのみ…

半側空間無視3

机上検査とADLの違い 臨床上、線分抹消試験などの机上検査はクリアできるものの、歩行時や車いす駆動時にUSN症状が顕著になるのはなぜか。 机上検査のほとんどは線を抹消するといった目的に基づき課題を遂行するため主にトップダウン注意を利用するが、突然…

半側空間無視2

半側空間無視の発現に関わる神経メカニズム ~続き~ 人間が目的もって作業している際には、トップダウンに対象に対して注意を働かせる。この際、対象への注意の選択・集中は、後頭葉の視覚領域とともに、頭頂間溝、上頭頂小葉、前頭眼野といった脳の背側領…