転倒予防

骨粗鬆症患者の骨粗鬆症管理と転倒予防のための運動ガイドライン

骨粗鬆症患者の骨粗鬆症管理と転倒予防のための運動ガイドライン Bae S, Lee S, Park H, et al. Position Statement: Exercise Guidelines for Osteoporosis Management and Fall Prevention in Osteoporosis Patients. J Bone Metab. 2023;30(2):149-165. h…

矢状面での姿勢制御における足関節の役割

矢状面における姿勢制御に関与する関節の貢献割合 矢状面(前後方向)の姿勢制御に関与する関節の貢献割合は、以下の論文で報告されています。 "Contribution of Ankle, Knee, and Hip Strategies to Balance Control During Quiet Standing in Young and El…

加齢に伴う下肢筋力の低下と、矢状面での姿勢制御能力に与える影響

加齢に伴う下肢筋力の低下が、矢状面での姿勢制御能力に与える影響については、いくつかの研究から以下のことがわかっています。 足関節Jonkers et al. (2003)の研究では、高齢者は若年者に比べ、立位時の足関節底屈筋力が低下していることが報告されていま…

前額面における姿勢保持と股関節の役割

前額面での姿勢保持に関与する主要な関節とその働きの割合については、以下の研究結果が参考になります。 Sawai et al. (2020)の研究では、側方ステップ動作時の関節モーメントを解析しています。その結果は以下の通りです。 股関節: 体重移動期: 60%支持脚…

バランス能力の向上に効果的な側方からの昇降運動

側方からの昇降運動は、前方からの昇降運動と比較して、以下の理由からバランス能力の向上により効果的です。 動的姿勢制御能力の向上側方からの昇降では、重心の移動が前額面で生じるため、体幹と下肢の筋群が前額面での姿勢制御に働きます。これにより、動…

段差昇降動作のトレーニングと転倒予防に関するエビデンス

1. 段差昇降動作のトレーニングは、転倒のリスクを軽減する。 例えば、ある研究では、12週間の段差昇降動作のトレーニングプログラムに参加した高齢者は、転倒のリスクが30%減少したのに対し、同じ期間歩行プログラムに参加した高齢者は、転倒のリスクが15…

速歩トレーニングと転倒予防の効果とエビデンス

速歩トレーニングは、転倒予防に効果があるというエビデンスがあります。 2015年に発表された研究では、速歩トレーニングを行った高齢者は、速歩トレーニングを行わない高齢者に比べて、転倒率が低いことがわかりました。 この研究では、65歳以上の高齢者を2…

静的バランス能力と動的バランス能力は、メカニズムが異なる

静的バランス能力と動的バランス能力は、どちらもバランスを維持する能力ですが、そのメカニズムは異なります。 静的バランス能力とは、静止した状態を維持する能力のことです。片足立ちや、目を閉じて立っている状態を維持する能力などが含まれます。静的バ…

静的バランスと動的バランスと転倒リスクの因果関係

静的バランスと動的バランスは、転倒リスクと密接に関連しています。 静的バランスとは、静止した状態を維持する能力のことです。片足立ちや、目を閉じて立っている状態を維持する能力などが含まれます。 動的バランスとは、移動しながらバランスを維持する…

ライトタッチに有効なのは一本杖?4点杖?

ライトタッチに有効なのは、一本杖です。そのメカニズムは、以下の通りです。 一本杖は、杖を地面に軽く触れることで、杖を支点にしてバランスをとりやすくします。これにより、転倒のリスクを軽減し、歩行の安定性を高めることができます。 また、一本杖は…

転倒予防を脳機能の観点から考える

転倒予防を脳機能の観点から考える場合、重要なのはバランス能力と認知機能です。 **バランス能力** バランス能力は、脳幹にある前庭系と小脳によって制御されています。前庭系は、内耳の三半規管と耳石器からなる器官で、頭の位置や動きを感知しています。…

静的立位バランス能力と動的立位バランス能力の相関と非相関、因果関係について

静的立位バランス能力と動的立位バランス能力の相関と非相関、因果関係について、各項目ごとに詳しく説明します。 **1. 静的立位バランス能力と動的立位バランス能力の相関** 静的立位バランス能力と動的立位バランス能力は、一定の相関関係があることが知ら…