心不全由来の喘鳴と喘息由来の喘鳴の違いは、以下の通りです。
**心不全由来の喘鳴**
* 喘息の喘鳴よりも、より低い音である。
* 夜間や安静時に悪化する傾向がある。
* 鼓膜に圧迫感や膨張感を感じる。
* 呼吸困難、浮腫、疲労などの他の心不全の症状を伴うことが多い。
* 肺の水分量が多いため湿性ラ音や捻髪音(らせん気管支音)が出現し、しばしば両側性に存在する。
**喘息由来の喘鳴**
* 心不全の喘鳴よりも、より高い音である。
* 日中や活動時に悪化する傾向がある。
* 胸の圧迫感や締め付け感を感じる。
* 喘鳴、咳嗽、息切れなどの他の喘息の症状を伴うことが多い。
* 肺の水分量が多いため湿性ラ音や捻髪音(らせん気管支音)が出現し、しばしば一側性に存在する。
**鑑別診断**
心不全由来の喘鳴と喘息由来の喘鳴は、症状が似ているため、鑑別診断が難しい場合があります。心不全由来の喘鳴は、上記のような他の症状を伴うことが多く、また心エコー検査や胸部レントゲン検査などの所見も参考になります。喘息由来の喘鳴は、喘息の既往歴や他のアレルギー疾患の既往歴、および喘息の治療に対する反応などによって診断されます。
**治療**
心不全由来の喘鳴の治療は、心不全の治療が中心となります。利尿薬やACE阻害薬などの薬物療法、心臓リハビリテーションなどが行われます。喘息由来の喘鳴の治療は、吸入ステロイド薬や気管支拡張薬などの薬物療法が中心となります。