歩行開始時と歩行中に脳で働く部位は異なる

 

歩行開始時と歩行中に脳で働く部位は異なります。

 

歩行開始時は、一次運動野、前頭前野基底核、小脳などが働きます。一次運動野は、筋肉に運動指令を送る部位です。前頭前野は、運動計画や運動実行の制御に関与する部位です。基底核は、運動の滑らかさや調整に関与する部位です。小脳は、運動の協調性や平衡感覚に関与する部位です。

 

歩行開始後、リズムに乗った状態になると、一次運動野の働きが弱まり、基底核や小脳の働きが強まります。基底核は、歩行のリズムを生成し、小脳は、歩行の協調性や平衡感覚を維持します。また、大脳基底核尾状核の一部、被殻淡蒼球視床下核視床下野などに位置する脳部位の広範なネットワークである間脳辺縁系回路が歩行を担っています。

 

歩行は、複雑な運動ですが、脳のさまざまな部位が連携して行われています。歩行開始時と歩行中に脳で働く部位が異なることで、歩行の開始と維持をスムーズに行うことができています。

 

さらに、歩行中に脳で働く部位は、歩行速度や歩幅、歩行路面の状態などによっても変化します。例えば、歩行速度が速くなると、一次運動野の働きが強まり、基底核や小脳の働きが弱まります。これは、歩行速度が速くなると、筋肉に素早く運動指令を送る必要があり、歩行のリズムを維持することが重要になるためです。

 

また、歩幅が大きくなると、前頭前野の働きが強まり、基底核や小脳の働きが弱まります。これは、歩幅が大きくなると、運動計画や運動実行の制御が重要になるためです。

 

最後に、歩行路面の状態が悪いと、一次運動野、前頭前野基底核、小脳すべての働きが強まります。これは、歩行路面の状態が悪いと、筋肉に素早く運動指令を送る必要があり、歩行のリズムを維持し、運動計画や運動実行の制御を行うことが重要になるためです。

 

歩行は、脳のさまざまな部位が連携して行われている複雑な運動です。歩行開始時と歩行中に脳で働く部位が異なることで、歩行の開始と維持をスムーズに行うことができています。また、歩行中に脳で働く部位は、歩行速度、歩幅、歩行路面の状態などによっても変化します。