高齢者

一度なった動脈硬化は改善するかしないか

## 一度なった動脈硬化は改善するかしないか **結論から言うと、一度硬化した動脈を完全に元通りにすることはできません。** 動脈硬化とは、動脈の内壁にコレステロールやカルシウムなどの物質が蓄積して血管が硬くなる病気です。この動脈硬化によって動脈が…

老化の三大要因のひとつ「糖化」

老化の3大要因といわれるのが酸化、糖化、炎症。体が『サビる』酸化に対し、糖化は体が『コゲる』状態になること。 糖化と酸化の悪循環が老化を加速させるといわれ、エイジングケアには、糖化、酸化の両方に注目する必要がある。 「ごはんや麺類など糖質の高…

長谷川式簡易検査(HDS-R)のカットオフ値

長谷川式簡易検査(HDS-R)のカットオフ値は、20/21点です。この点数が認知症のスクリーニングにおける弁別力が最も高いとされています。 得点が20点以下の場合、認知症の疑いがあります。 ただし、この検査はあくまでスクリーニングであり、認知症の診断を…

「利尿薬」タイプと注意すべき副作用

「利尿薬」は体内の水のコントロールを手助けしてくれますが、クスリなので当然、注意すべき点があります。そして同じ利尿薬でも、「ナトリウム利尿」と「水利尿」では注意すべき点が少し異なってきます。 まずは、ナトリウム利尿で尿の量を増やす利尿薬の注…

高齢者は、幸せな顔の表情ではなく、悲しい顔の表情に対する視覚的注意力が低下し、知覚が損なわれる

顔の感情表現:老齢者と若年者の知覚領域から運動領域まで Loi, Nicola, et al. "Faces emotional expressions: from perceptive to motor areas in aged and young subjects." Journal of Neurophysiology 126.5 (2021): 1642-1652. [ハイパーリンク] DOI, …

**年齢と疲労回復の関係**

**年齢と疲労回復の関係** 年齢を重ねると、疲労回復に時間がかかるようになります。その理由は次のとおりです。 * **加齢に伴う身体的変化:** 加齢に伴い、筋肉量が減り、心血管系の効率が低下します。そのため、運動後の回復に時間がかかります。 * **睡眠…

脚のつり(腓腹筋痙攣)と筋膜の関係

**脚のつり(腓腹筋痙攣)と筋膜の関係** 腓腹筋痙攣(脚のつり)は、腓腹筋(ふくらはぎの筋肉)が不随意に収縮し、激しい痛みを引き起こす状態です。筋膜は、筋肉やその他の組織を包み込む結合組織です。 脚のつりと筋膜の関係については、次のような仮説…

高齢者の認知症リスクを減らす運動方法とは?

定期的な運動習慣が認知症を予防する 高齢者を対象とした調査では、週3回・週2時間以上の定期的な運動をした人は、認知症になる危険性が低くなることがわかっています。 具体的に、どのくらい認知症になりにくいかというと、定期的な運動をしていた高齢者は…

運動によって骨格筋から分泌されるホルモン物質「マイオカイン」

運動は、骨格筋を使って身体を動かしたり支えたりすることで、全身にさまざまな効果をもたらします。最近の研究では、運動が身体に与える影響やそのメカニズムについて、より深く理解されるようになってきました。例えば、ジムで部位別に筋肉を大きくするト…

尿漏れのメカニズムと防止法

**高齢者が尿漏れが増えるメカニズム** 1. **骨盤底筋の低下** * 骨盤底筋は、膀胱や尿道、直腸を支える筋肉です。 * 加齢とともに骨盤底筋は弱くなり、尿漏れのリスクが高まります。 2. **尿道括約筋の機能低下** * 尿道括約筋は、尿道を締めて尿漏れを防ぐ…

加齢による身体の痛みの原因

**加齢による身体の痛みの根拠** * **組織の老化:** 加齢に伴い、筋肉、骨、関節などの組織が老化し、痛みを感じやすくなる。 * **炎症:** 加齢に伴い、慢性炎症が起こりやすくなり、痛みを引き起こす。 * **神経系の変化:** 加齢に伴い、神経系の機能が低下…

何故、加齢とともに体力は低下するの?

加齢とともに体力が低下する要因は、主に以下の3つです。 1. **筋肉量の減少** 筋肉量は、20歳をピークに徐々に減少します。この筋肉量の減少は、サルコペニアと呼ばれています。サルコペニアは、筋力や身体機能の低下を引き起こし、転倒や骨折のリスクを高…

睡眠時間と、認知予防とアミロイドβと老化予防の関係

**1. 認知予防と睡眠時間の関係** 睡眠時間は、認知機能と密接に関連しています。十分な睡眠をとることは、認知症の発症リスクを低下させることが示されています。 例えば、2017年に発表されたコホート研究では、1日7時間以上の睡眠をとる人は、1日5時間未満…

体温の変動と心拍数の関係: 感染か一時的な熱かを見分けるためのΔ心拍数20ルール

体温と心拍数 Q離床前の患者さんの体温が高いときに、感染による発熱か、一時的に熱がこもっているだけか悩むことがあります。見分けるコツはありますか? Aご質問のように、寒がりの人で厚着をしていたり、電気毛布を使っていると、体温が高く表示されて感…

左心不全と右心不全

・慢性心不全が急性増悪 (代償機序が破綻) すると急性心不全になる。 ・代償機序が破綻し、心不全の原因となった因子を聴取したり、カルテより抽出することは再発予防 ためにも重要である 慢性心不全 症状,理学所見 ・心不全の症状は、左心不全症状と右心不…

心不全の進行と血圧の低下の関係

心不全の進行と血圧には複雑な関係があります。 心不全とは、心筋が体全体に血液を送り出すのに必要な動力を提供することができなくなる状態です。通常、心臓は体の需要に応じて血流を調節する能力を持っていますが、心不全が進行すると、この調節能力が低下…

心不全患者における労作時の喘鳴、呼吸苦、チアノーゼの関連性

心不全患者で歩行によって喘鳴、呼吸苦、チアノーゼが出現する場合、それは労作時に心臓のポンプ機能が体の要求する酸素量に応じられないことを示しています。 労作時は心臓に対する需要が増加し、特に心不全がある場合はその要求に対応できません。これが患…

低酸素の有無をどのようにアセスメントすればよいか?

臨床において、パルスオキシメーターの誤差が生じたり、血ガスデータがない場合があります。 そのような場合は、症状から低酸素血症の重症度を推定するこができるため、フィジカルアセスメントを活用し、状態の把握に努めることが大切です。 動脈血酸素分圧…

心疾患に対する運動療法ガイドライン

運動療法の身体的効果 運動療法は、心臓リハビリテーションの中心的な役割を担っており,さまざまな身体効果が証明されている。 主たる効果は運動耐容能の増加であり,労作時呼吸困難や疲労感などの心不全症状や狭心症発作など、日常生活における諸症状を軽減…

エキセントリックトレーニングと低強度の負荷

要約 エキセントリックトレーニングは、低強度の負荷でも筋力や筋肉量が増す これまでの筋力トレーニングの常識 一般的にトレーニングで筋力を増加させたり筋肥大を起こすには、最大筋力、または1RMの 60%以上の負荷が必要と考えられています。 こ れは8~12…

平衡訓練/前庭リハビリテーションの基準

前庭リハビリテーションとは 一側の末梢前庭が障害されると,めまいや平衡障害が出現するが,前庭代償により次第に回復する。 しかし,前庭代償が遅延してめまい・平衡障害が持続する例も少なくない。 前庭代償が遅延し,頭部や 身体の動きによりめまい・平…

高強度インターバル・ウォーキング・トレーニングが中高年の体力と血圧に及ぼす影響

目的高強度インターバルウォーキングトレーニングが、中強度連続ウォーキングトレーニングよりも大腿筋力およびピーク有酸素容量を増加させ、血圧を低下させるかどうかを検討すること。 参加者と方法2004年5月18日~2004年10月15日(5ヵ月間の研究期間)、平…

パーキンソン病患者の小刻み歩行に対する横歩きの即時効果

【目的】パーキンソン病の歩行障害のうち、すくみ足の改善に対しての報告を目にすることはあるが、小刻み歩行の改善に対しての報告は少ない。パーキンソン病での歩行は健常人の歩行と比較して、左右への重心移動が少なく、この結果、振り出しが困難となって…

すくみ足・小刻み歩行を呈するパーキンソン病患者に対する歩行訓練

要 旨パーキンソン病 患者 に対する歩行訓練の 効果 を検討する目的で ,パーキンソン病患者 と健常人との 体幹・下肢の筋活動及び重心移動を比較・検討した。 パーキンソン病患者の 筋活動 は歩行時持続性の 高い筋活動 を認め,その際左右への重心移動は …

すくみ足・小刻み歩行を呈するパーキンソン病に対する歩行訓練

要 旨パ ーキンソン病患者に対する歩行訓練の効果を検討する 目的で ,パ ーキ ン ソ ン 病患者 と健常人 との 体幹・下肢の筋活動及び重心 移動を比較 ・検討した。 パ ーキンソン病患者の 筋活動 は歩行時持続性の 高い筋活動 を認め,その際左右への 重心…

短時間の軽運動で高齢者の記憶力が向上

流通経済大学・筑波大学などの研究チームは、軽運動を 10 分間行うことで記憶力が即時的に向上することを健常高齢者において初めて明らかにしました。また、運動時に瞳孔径を計測した結果から、記憶力向上のメカニズムとして脳内の覚醒機構が関与する可能性…

ダーメンコルセットの効果

ダーメンコルセットのエビデンスが載っている論文をいくつかご紹介します。 【論文タイトル】Effect of a low-profile thoracolumbar orthosis on pain, function, and quality of life in patients with chronic low back pain: a randomized controlled tr…

こんにゃく由来グルコシルセラミド摂取による脳内アミロイドβ蓄積に対する抑制効果の探索的試験

目的 アルツハイマー病(AD)は、記憶障害や認知機能低下により社会生活に悪影響を及ぼす認知症の一種である。こんにゃく由来のグルコシルセラミドをADモデルマウスに経口投与すると、アミロイドβの脳内蓄積が抑制され、認知能力が改善することが知られてい…

脊柱管狭窄症

脊柱管狭窄症は、医学的には「腰部脊柱管狭窄症」という名称が正式です。 神経の走る空間が狭くなる病状です。 脊柱管とは、イメージしやすいように簡単に言うと、背骨の中にあるトンネル(脊髄神経)のことで、そこには脳から続いている脊髄神経が通ってい…

脱水と低血圧と頻脈と高齢者

脱水症の症状 「脱水症」とは、体内の水分が足りない状態のことをいいます。 「脱水」になると、自覚症状としては口の渇きや体のだるさ、立ちくらみなどを訴えることが多いです。皮膚や口唇、舌の乾燥、皮膚の弾力性低下、微熱などが起こります。そのほかに…