2024-05-01から1ヶ月間の記事一覧

筋膜リリースの治療効果が翌日軽減するメカニズム

## 筋膜リリースの治療効果が翌日軽減するメカニズム 筋膜リリースは、筋肉や筋膜の緊張を緩和することで、痛みや可動域制限を改善する効果があります。しかし、この効果は一時的な場合が多く、翌日には軽減してしまうこともあります。 筋膜リリースの治療効…

筋膜リリース後の治療効果の持続が人により異なるメカニズム

## 筋膜リリース後の治療効果の持続が人により異なるメカニズム 筋膜リリース後の治療効果の持続期間は個人によって大きく異なることが知られています。この違いには、以下のようなメカニズムが関係していると考えられています。 **1. 筋膜の構造と特性** - …

健常者における低血糖症状

## 健常者における低血糖症状 低血糖症状は、健常者においても起こり得ます。 以下に、その可能性がある場合と症状について説明します。 ### 可能性がある場合 * **空腹時**: 長時間食事を摂らなかった場合や、食事量が少ない場合に、血糖値が低下して低血糖…

有酸素運動と記憶力:神経栄養因子と神経可塑性の影響

有酸素運動が記憶力の向上に与える長期的な影響について、いくつかの研究が示唆しています。以下に、その一部を紹介します: 神経栄養因子の増加: 運動は脳内の神経栄養因子の放出を促進します。これにより、新しい神経細胞が生成されたり、既存の神経細胞が…

転倒予防の秘訣:前頭葉を刺激する認知的運動

転倒予防に有効な前頭葉の機能向上を目指す運動療法には、認知機能を刺激しながら身体活動を行う「認知的運動」が推奨されます。以下に、具体的な方法を紹介します。 ### 1. デュアルタスク運動デュアルタスク運動は、身体運動と認知課題を同時に行うことで…

注意機能トレーニングによる転倒予防効果の検証

要旨: 〔目的〕“注意”の機能低下は,転倒要因の一つに挙げられている。本研究で,“注意”の機能向上によって,地域在住高齢者の転倒を予防することが可能となるのか検討した。 〔方法〕対象は要介護・支援状態にない地域在住高齢者63名(平均年齢;83.3±5.9…

透析前の慢性腎臓病患者に対する有酸素運動の効果:無作為化対照試験のシステマティックレビュー

[背景・目的] 透析導入前の患者を対象に、有酸素運動単独と通常ケアの運動耐容能、機能能力、QoLを評価した無作為化比較試験(RCT)を系統的にレビューすること。 [方法] 2021年2月までにMEDLINE、Cochrane CENTRAL、EMBASE、PEDro、LILACSのデータベースで…

アップルウォッチの心電図による左室機能不全の検出

スマートウォッチによる左室機能不全の検出の前向き評価 [背景・目的] 人工知能(artificial intelligence, AI)アルゴリズムは、12誘導心電図(electrocardiograms, ECG)から駆出率(ejection fraction, EF)≦40%と定義される心機能障害を特定できること…

認知機能障害と性格の変化

認知機能障害前と障害中のパーソナリティの変化 [背景・目的] 認知障害や認知症患者におけるパーソナリティの変化については、臨床的観察や観察者によるレトロスペクティブ・レーティングの研究から指摘されている。しかし、そのような変化の時期や大きさは…

肩関節に関する最新エビデンス

肩関節に関する最新エビデンス 肩関節周囲炎の患者さんは、痛みや動きの制限の改善に難渋することがありますが、肩関節周囲炎のアプローチについて、とても興味深い報告が届きました。 この研究は、中等度から重度の肩関節周囲炎を持つ患者さん20名に、肩関…

筋膜リリースが筋膜の障害に対して効果的なメカニズム

筋膜リリースが筋膜の障害に対して効果的なメカニズムは、主に以下の点に基づいています。 ### 1. 筋膜の緊張とアドヒージョンの解放 筋膜は全身を覆う繊維質のネットワークであり、筋肉、骨、臓器などを包み込んでいます。ストレス、過剰な運動、姿勢の悪さ…

心臓負担の増加につながる塩分過多

心臓血管の領域で40年近く診療に携わってきた立場からすると、塩分(ナトリウム)の過剰摂取は心臓にとって良くないのは間違いありません。 ナトリウムは、人の体内で水分量の調整に関わっていて、通常は一定の濃度を維持しています。しかし、塩分過多でナト…

高血圧の現状と治療

俗に「上が140mmHg/下が90mmHg」と言われる高血圧が長い間続くと、脳卒中や心筋梗塞などになるリスクが高くなるため、このような合併症を防ぐために血圧を適切にコントロールする必要があります。 わが国における高血圧患者数は約4300万人と推定されていま…

立ち上がり動作において、主要な筋群とその貢献割合

立ち上がり動作において、主要な筋群とその貢献割合は以下の通りです。 大腿四頭筋(Quadriceps femoris): 約40%〜50% 大腿四頭筋は大腿部の表面にあり、膝関節を伸展させる役割を果たします。立ち上がりの際に膝を伸ばす動作に主に関与し、身体を立ち上…

一度なった動脈硬化は改善するかしないか

## 一度なった動脈硬化は改善するかしないか **結論から言うと、一度硬化した動脈を完全に元通りにすることはできません。** 動脈硬化とは、動脈の内壁にコレステロールやカルシウムなどの物質が蓄積して血管が硬くなる病気です。この動脈硬化によって動脈が…

急性心不全と慢性心不全における酸素療法の必要性

## 急性心不全と慢性心不全における酸素療法の必要性 ### 急性心不全の場合 急性心不全とは、心臓のポンプ機能が突然低下し、全身への血液循環が悪くなることで、息切れやむくみ、倦怠感などの症状が現れる疾患です。酸素療法は、急性心不全の治療において重…

甘いものを大量に摂取すると高血圧を招くメカニズム

##甘いものを大量に摂取すると高血圧を招くメカニズムと論文紹介 甘いものを大量に摂取することで高血圧を招くメカニズムは、いくつかの要素が複雑に絡み合っており、まだ完全には解明されていません。 しかし、現時点では以下のメカニズムが有力視されてい…

老化の三大要因のひとつ「糖化」

老化の3大要因といわれるのが酸化、糖化、炎症。体が『サビる』酸化に対し、糖化は体が『コゲる』状態になること。 糖化と酸化の悪循環が老化を加速させるといわれ、エイジングケアには、糖化、酸化の両方に注目する必要がある。 「ごはんや麺類など糖質の高…

「睡眠薬」の現在…ベンゾジアゼピン系から新タイプへの切り替えが進んでいる

インテージテクノスフィアが健康保険組合の加入者約19万人のデータをもとに分析した睡眠薬の実態調査によると、40~44歳の4.6%、45~49歳の5.2%、50~54歳の6.3%、65~69歳の9.4%が睡眠薬を処方されていて、加齢とともに処方率が高くなっていた。 「一般…

座位から立位への動作における股関節内転筋の活性化により、片麻痺患者の筋活性化タイミングと立ち上がりメカニクスが改善される

[背景・目的] 長い立ち上がり(sit-to-stand, STS)時間は、機能的なモビリティが損なわれていることの特徴として認識されている。股関節内転筋の同時収縮によるSTSパフォーマンスのバイオメカニクスの変化は研究されておらず、STSトレーニング中の股関節内…

筋や筋膜を組織に沿って縦方向にストロークする、 能動的軟部組織モビライゼーション手技の効果

【どこにアプローチすべき?】 膝OAの可動域に関する最新エビデンス 変形性膝関節症(膝OA)を抱える患者さんは、 関節の変形に伴う関節可動域制限が問題となりますが、 膝OAの関節可動域改善に関する、興味深い報告が届きました。 この研究は、膝OAの患者さん…

過重下にて、股関節伸展に最も貢献している筋はどれか

股関節伸展(hip extension)において、最も貢献している筋は大腿回旋筋(gluteus maximus)と考えられています。ただし、具体的には筋の活動量を測定することでより詳細な情報を得ることができます。 一つの研究(Journal of Orthopaedic Research Vol. 31,…