上殿皮神経の皮膚枝と特に大腿筋膜張筋の神経について

 

 

ABSTRACT

日本人成人屍体 23 体のハ ー フベルプ 39 個(右個、左幻個)を用いて、上殿皮神経からの皮膚枝を研究した。枝の詳細な記述は現在のところ文献にはない。これらの枝のほとんどは大腿筋膜張筋を貫通し、外側臀部の中央に分布していた。

 

 

 

画像1: 【腰が痛い】原因は神経の締め付け?慢性腰痛「上・中殿皮神経障害」の最新治療

上殿皮神経障害の場合は、骨盤を構成する「腸骨」という骨の上部、弧を描いているふちの部分に、押すと強く痛む箇所(圧痛点)が見つかります。腰のベルトを締める辺りの高さで、背骨の中心線から6~7cm外側に行ったところです

 

中殿皮神経障害の場合は、それよりも少し下、お尻の割れ目が始まる辺りの高さで、背骨の中心線から3~4cm外側のお尻の出っ張った部分に圧痛点が見つかります(上図参照)。

 

上・中殿皮神経障害であれば、これらの圧痛点を押すとかなり強く痛むため、一般の人でもなんとなくわかるはずです。

 

 

 

上殿皮神経は、第1~3腰神経後枝の外側枝で形成され、腰の下部で胸腰筋膜を貫通し、腸骨稜を越えて殿部外側の皮膚に分布する感覚神経です。

 

上殿皮神経障害は神経が胸腰筋膜を貫通する際に絞扼(絞め付ける)される事で起こります。

 

  

長後仙腸靭帯 仙結節靭帯

 

中殿皮神経は、第1~3仙骨神経後枝の外側枝で形成され、長後仙腸靭帯の下を通り、仙結節靭帯と大殿筋を貫いて殿部内側部に分布する感覚神経です

 

中殿皮神経障害は、長後仙腸靭帯の下方通過部と仙結節靭帯と大殿筋貫通部で絞扼される事で起こります

 

 

 

 

筋肉と筋膜

大腿筋膜張筋の外面は完全に大腿筋腹で覆われ、頭側の内面は大殿筋と癒合していた。

 

 

大腿筋張筋内の筋内神経分布

これらの穿通性皮膚枝と大腿筋謨張筋への神経との関係を調べるために、神経の筋肉内分布を調べた(園 3 “ h) 。標本 2 (図 3 れ)では、 3 本の皮膚枝のうち2 本が大腿筋膜張筋を穿通していた(カットムカット 3 )。もう一本の枝(カット l) は筋の背側縁を巻いて筋膜を穿通している。標本 3 (図 3 の房では、 3本の枝が大腿筋膜張筋の背側縁を穿孔した。これらの枝のうち 2 本(カット l& カット 2 )は、筋膜張筋への神経が筋に達した直後に筋枝と皮枝に分かれている。もう一本の枝(カット 3 )は、大腿筋膜張筋への神経から発生し、大褪筋膜張筋の内面を走行していた。

 

 

興味深いことに、現在までのところ、れらの分枝に関する記述はない。 Grants Atlas of Anatmy (1963) では、この部位の皮膚枝は外側大腿皮神経の後枝から発生すると描かれている。上殿皮神経の皮膚枝は、筋膜を穿通する枝が外側大腿皮神経から生じると推定されていたため、文献上無視されていたようである。

 

 

 

 

臀部外側への皮膚枝の分節由来に関しては、 Anatomy (Wilhamsetal.1989) によると、腸腰神経はL1から、外側大腿皮神経は L2と L3 から、後大腿神経の臀部枝は S1 に S2 から生じている。したがって、凵と L5 からの寄与は含まれていない。したがって、L4とL5からの寄与は含まれていない。

 

 

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC1259613/pdf/janat00150-0103.pdf