2024-01-01から1年間の記事一覧

ストレスによる高血圧発症の予防には、運動が効果的

順天堂大学は6月12日、慢性的なストレスによる高血圧発症の予防には、運動が効果的であるとされるメカニズムの一部を明らかにしたことを発表。ラットをほぼ毎日1時間拘束すると、3週間後に血圧が上昇するとともに、骨髄の炎症反応、血中炎症細胞(Tリンパ球や…

日常生活動作に必要な関節の可動域

.問い 関節可動域の改善を目指すうえで、どのくらいの角度を目標にするとよいですか? 答え ズバリ日常生活に必要な角度を意識して、改善を目指しましょう。 主な動作と各関節の関係では、 表に示すような可動域が求められると報告されています(文献1,2)。…

カルシウム不足を示す「3つのサイン」

牛乳に含まれるカルシウムは、私たちの健康を維持し、丈夫な骨を作るために欠かせない大切な栄養素。 カルシウムを十分に摂取できていなければ、体に大きな影響を与える可能性もある。アメリカ合衆国保健福祉省による食生活指針の報告書によれば、アメリカで…

運動で骨密度が高くなる理由

米国疾病管理予防センターによると、50歳以上の女性の約20%、男性の約5%は骨粗しょう症を発症する。 そう言われると少し不安になるけれど、実はこのたび、定期的な運動で骨密度が高くなるという研究結果が発表された。 科学情報誌『Scientific Reports』によ…

肺炎と誤嚥性肺炎の病態の違い

## 肺炎と誤嚥性肺炎の病態の違い 肺炎と誤嚥性肺炎は、いずれも肺に炎症が起こる病気ですが、その原因と病態は異なります。 ### 肺炎 肺炎は、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫などの病原体が肺に感染することで起こります。病原体は、空気感染、飛沫感染、接…

尿の色と脱水の関係

## 尿の色と脱水の関係 尿の色は、体内の水分量の指標となり得ます。脱水症状が進むと、尿の色は濃くなり、量も減少します。逆に、十分に水分を摂っている場合は、尿の色は淡くなり、量も増えます。 ### 尿の色と脱水症状の関係 | 尿の色 | 脱水状態 | |---|…

慢性炎症の有無や程度を調べる方法

## 慢性炎症の有無や程度を調べる方法 慢性炎症の有無や程度を調べる方法には、以下のようなものがあります。 ### 1. 血液検査 血液検査では、炎症反応を示すマーカーであるC反応性タンパク(CRP)や赤血球沈降速度(ESR)を測定します。CRPは、炎症が起こる…

高齢者と慢性炎症と慢性疼痛の関係

## 高齢者と慢性炎症と慢性疼痛の関係 高齢者では、慢性炎症と慢性疼痛の発生率が高くなっています。慢性炎症は、感染症や怪我などによって引き起こされる急性炎症が長期間続く状態であり、身体の組織や臓器に損傷を与えます。慢性疼痛は、痛みが3ヶ月以上続…

スロートレーニングと固有感覚の関係について

## スロー筋力トレーニングと固有感覚の関係について スロー筋力トレーニングとは、ゆっくりと負荷をかけて筋肉を収縮させるトレーニング方法です。一般的な筋力トレーニングよりも負荷が軽く、ゆっくりと時間をかけて行うのが特徴です。 固有感覚とは、筋肉…

40秒の高強度間欠的運動が、30分以上の有酸素運動と同等の「最大酸素摂取量」を向上させること

早稲田大学(早大)は4月12日、トレーニング効果を生み出す「最少(の運動)量」のメカニズムについて、強度の工夫によって、短時間であっても大きな運動効果をもたらし得ることを発見したと発表した。 同成果は、早大 スポーツ科学学術院の川上泰雄教授、国立ス…

立位バランスに必要な様々な感覚の貢献割合

立位バランスを維持するためには、主に三つの感覚系が関わっています:視覚、前庭感覚(内耳にある平衡感覚)、そして前述した固有感覚(プロプリオセプション)。これらの感覚系が相互に情報を統合し、身体の安定を維持します。若年者と高齢者でのこれら感…

スロートレーニングとプロプリオセプションの関係

スロートレーニング(スロートレーニングは、ゆっくりとした動きで筋肉を鍛えるトレーニング方法です)とプロプリオセプション(固有感覚)の関係は密接です。 スロートレーニングは、ゆっくりと筋肉を伸縮させることで筋力を高め、バランス感覚や体の動きの…

プロプリオセプションと高齢者の運動療法

高齢者のプロプリオセプションを刺激し、能力を向上するための運動療法は、バランスや筋力を向上させるための様々な運動を含むプログラムとして設計されることが一般的です。 以下に、プロプリオセプションを刺激するためのエビデンスのある運動療法の内容、…

頸静脈怒張は心不全の徴候の一つであり、重要な循環器のフィジカルアセスメント

Q. 体水分バランスの把握に頸静脈怒張のアセスメントが重要ということですが、うまく確認することができません。観察のコツはありますか? A.観察のコツは、頸部の回旋、腹部の圧迫、ペンライトなどがあります。 頸静脈怒張は心不全の徴候の一つであり、重要…

長谷川式簡易検査(HDS-R)のカットオフ値

長谷川式簡易検査(HDS-R)のカットオフ値は、20/21点です。この点数が認知症のスクリーニングにおける弁別力が最も高いとされています。 得点が20点以下の場合、認知症の疑いがあります。 ただし、この検査はあくまでスクリーニングであり、認知症の診断を…

変形性膝関節症における筋力トレーニングの膝関節痛軽減メカニズム**

**変形性膝関節症における筋力トレーニングの膝関節痛軽減メカニズム** 変形性膝関節症における筋力トレーニングが膝関節の痛みの軽減に効果があるというメカニズムは、いくつかの生理学的変化に基づいています。 **1. 関節への荷重負担の軽減** * 筋力が向…

不安定盤上でのバランス練習が歩行安定性に及ぼすメカニズム**

**不安定盤上でのバランス練習が歩行安定性に及ぼすメカニズム** 不安定盤上でのバランス練習が歩行の安定性を向上させるメカニズムは、以下のように多面的です。 **1. 筋活動の最適化:** * 不安定盤では、バランスを維持するために追加の筋活動が必要になり…

長期的な睡眠薬使用が認知症のリスクを増加させる可能性を示唆

睡眠薬と認知症の関係はまだ完全には解明されていませんが、長期的な睡眠薬使用が認知症のリスクを増加させる可能性を示唆する研究結果があります。 * フランスの大規模なコホート研究: 平均78歳の住民1000人以上を対象に最長15年追跡調査。睡眠薬を服薬して…

*加齢に伴う睡眠時間の短縮の理由**

**加齢に伴う睡眠時間の短縮の理由** 加齢に伴う睡眠時間の短縮には、次のような要因が挙げられます。 **1. 松果体のメラトニン分泌量の低下:** 松果体は睡眠ホルモンであるメラトニンを分泌する器官です。加齢とともにメラトニンの分泌量が減少するため、眠…

「利尿薬」タイプと注意すべき副作用

「利尿薬」は体内の水のコントロールを手助けしてくれますが、クスリなので当然、注意すべき点があります。そして同じ利尿薬でも、「ナトリウム利尿」と「水利尿」では注意すべき点が少し異なってきます。 まずは、ナトリウム利尿で尿の量を増やす利尿薬の注…

認知症の発症リスクのうち、「自分次第で改善できる9つのリスク要因」

2017年に英国の医学雑誌「ランセット」が数々の研究結果を解析し、認知症の発症リスクを高めるさまざまな要因のうち、「自分次第で改善できる9つのリスク要因」を発表している。 そのリスク要因は年代によって分かれていて、小児期の「①低学歴(11~…

ビフィズス菌が記憶力低下を予防する

近年、腸内細菌とアルツハイマー病が密接に関連していることが明らかになりつつある。それに関する研究は国内外問わず複数あるが、注目されているもののひとつが腸の代表的な善玉菌、ビフィズス菌MCC1274株に関する研究だ。 ビフィズス菌にはさまざまな株が…

糖尿病患者で骨折リスクが高くなる要因

Q1 糖尿病患者で骨折リスクが高くなる要因は? Anser. 糖尿病患者では、糖尿病のない人と比べて骨折のリスクが高くなります。 インスリン作用不足や糖化最終産物の蓄積による骨質の低下や、バランス感覚の悪化や視力低下による易転倒性などが要因として考え…

アルツハイマー病リスクに対する身体活動の影響~メタ解析

アルツハイマー病リスクに対する身体活動の影響~メタ解析 すべての原因による死亡率や認知症を減少させるために、身体活動(PA)は有用である。しかし、アルツハイマー病リスクに対するPAの影響については、議論の余地が残っている。中国医科大学付属第一医…

高齢者は、幸せな顔の表情ではなく、悲しい顔の表情に対する視覚的注意力が低下し、知覚が損なわれる

顔の感情表現:老齢者と若年者の知覚領域から運動領域まで Loi, Nicola, et al. "Faces emotional expressions: from perceptive to motor areas in aged and young subjects." Journal of Neurophysiology 126.5 (2021): 1642-1652. [ハイパーリンク] DOI, …

**ピーナッツが血圧を下げるメカニズム**

**ピーナッツが血圧を下げるメカニズム** ピーナッツに含まれる成分が、以下のメカニズムによって血圧を下げる可能性があります。 * **アルギニン:** ピーナッツには、血管を拡張する一酸化窒素の生成を促進するアミノ酸アルギニンが含まれています。 * **レ…

湿度の閾値を下回ると呼吸器疾患が増悪する

**湿度の閾値** 研究によると、湿度の閾値を下回ると呼吸器疾患が増悪する可能性があります。この閾値は疾患の種類や個人の健康状態によって異なりますが、一般的には次の範囲です。 * **30~40%**:喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症 * **40~5…

嚥下過程と胸鎖乳突筋

胸鎖乳突筋は、嚥下時に重要な役割を果たします。 この筋肉は首の側面を斜めに通り、頭部の動きを支援すると同時に、嚥下過程においても機能します。具体的には、胸鎖乳突筋は首を左右に回旋させる働きを持ち、屈曲、側屈といった頚部の動きにも関与します。…

動脈硬化と足の血流

動脈硬化が進行して足の血流が悪くなると、足にしびれや痛みの症状が現れます。これは「閉塞性動脈硬化症(ASO)」と呼ばれ、血流の低下から足の冷感や、歩いているとふくらはぎが張ったりしびれが生じ、休憩を挟むと症状が治まる「間欠性跛行(はこう)」が…

健康食材ピーナツの血圧低下効果

米ハーバード大学の研究チームが30年にわたって12万人の食生活を調べたところ、死亡率を大きく下げる食材のひとつにピーナツがあった。 「ピーナツには飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸がバランスよく含まれていて、悪玉コレステロールを下げ、血管を丈夫にする作用…