肺炎と誤嚥性肺炎の病態の違い

 

## 肺炎と誤嚥性肺炎の病態の違い

肺炎と誤嚥性肺炎は、いずれも肺に炎症が起こる病気ですが、その原因と病態は異なります。

### 肺炎

肺炎は、細菌、ウイルス、真菌、寄生虫などの病原体が肺に感染することで起こります。病原体は、空気感染、飛沫感染接触感染などによって体内に侵入し、肺胞に達して炎症を起こします。

### 誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は、唾液や食べ物、飲み物などが誤って気管に入り、肺に達することで起こります。誤嚥した物質は、肺胞に炎症を引き起こし、肺炎を引き起こします。誤嚥性肺炎は、嚥下機能が低下している高齢者や、脳卒中パーキンソン病などの神経疾患患者に多く見られます。

### 病態の違い

| 項目 | 肺炎 | 誤嚥性肺炎 |
|---|---|---|
| 原因 | 病原体の感染 | 誤嚥 |
| 病原体 | 細菌、ウイルス、真菌、寄生虫 | 唾液、食べ物、飲み物 |
| 発生部位 | 肺胞 | 肺胞 |
| 症状 | 発熱、咳、痰、息切れ、胸痛、倦怠感 | 肺炎と同様の症状に加え、嚥下障害、窒息感、嘔吐など |
| 予後 | 病原体によって異なる | 肺炎よりも重症化しやすい |

誤嚥性肺炎は、誤嚥した物質がさまざまな細菌を含んでいるため、多剤耐性菌による感染症を引き起こすリスクが高いという特徴があります。また、誤嚥性肺炎は、繰り返しやすいという特徴もあります。

## 参考文献

* [肺炎 - 症状と原因 - Mayo Clinic](https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/pneumonia/symptoms-causes/syc-20354233)
* [誤嚥性肺炎 - 症状と原因 - Mayo Clinic](https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/aspiration-pneumonia/symptoms-causes/syc-20351484)
* [肺炎診療ガイドライン2017](https://www.jrs.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/pneumonia2017.pdf)

## 論文

* [Iwashita, Y., Fujimoto, K., Nakano, Y., Yamaguchi, T., Kohno, S., & Izumi, T. (2007). Differences in clinical features and outcomes between aspiration pneumonia and non-aspiration pneumonia. Internal Medicine, 46(11), 743-748.](https://www.jstage.jst.go.jp/article/internalmedicine/46/11/46_743/_article/-char/en)
* [American Thoracic Society/Infectious Diseases Society of America. Guidelines for the management of adults with hospital-acquired, ventilator-associated, and healthcare-associated pneumonia. Am J Respir Crit Care Med. 2005;171(4):388-416.](https://www.atsjournals.org/doi/full/10.1164/rccm.200405-644ST)