カルシウム不足を示す「3つのサイン」

 

牛乳に含まれるカルシウムは、私たちの健康を維持し、丈夫な骨を作るために欠かせない大切な栄養素。

カルシウムを十分に摂取できていなければ、体に大きな影響を与える可能性もある。アメリカ合衆国保健福祉省による食生活指針の報告書によれば、アメリカでは成人の4分の1は、カルシウムが足りていないとのこと。カルシウムには、血液の凝固作用や筋肉の収縮作用があるほか、神経の情報伝達を助けたり、血圧を調節する働きなどがある。20〜30代女性の1日あたりのカルシウム推奨摂取量は600-700mg(※)。この推奨量を満たしていなければ、上述した身体機能が不調を起こすことになるそう。

さらに悪いのは、カルシウム不足は症状が手遅れになるまで、気が付きにくいこと。「骨が細くなり、骨粗しょう症を発症したり、骨が脆(もろ)くて骨折が頻繁に起こりやすくなるまでは、カルシウム欠乏症の症状は基本的にありません」と説明するのは、ワシントンD.C.ジョージタウン大学病院で、骨デンシトメトリーと女性のプライマリー・ケアの医長を務めるアンドレア・J・シンガー医学博士。

とは言え、シンガー医学博士が言うように、カルシウム不足であることを示すわずかなサインに気がつく鋭い女性もいるとのこと。以下の質問の回答が全部イエスだった場合は、一度病院で血液検査を受けて、カルシウムの血中濃度を測定してもらうことを検討してみて。
(※厚生労働省の資料より)

 

1. 足がつり、夜中に頻繁に起きることがある?

Low Section Of Woman Touching Foot In Pain While Relaxing On Bed

カルシウムは電解質。つまり、筋肉に電気的な信号(インパルス)を運ぶ栄養素。カルシウムが少なくなると、末端神経(と、末端神経が刺激する筋肉)によるけいれんが起きやすくなるとシンガー医学博士は言う。オハイオ州にある非営利医療機関クリーブランド・クリニックによれば、寝る前にふくらはぎやハムストリング筋、大腿四頭筋の筋肉をストレッチをすることで、あらかじめけいれんを予防することができるそう。

 

 

2. 虫歯になりやすい?

体内のカルシウムの99%は、骨と歯に蓄えられている。アメリ国立衛生研究所によると、食事からカルシウムが十分に摂れなければ、体は骨と歯に蓄えられているカルシウムを吸収して利用するので、う蝕や虫歯のリスクを高めることになるそう。歯周病学の専門誌『Journal of Periodontology』誌に掲載された論文によると、1日のカルシウム摂取量が500mg未満の人は、推奨摂取量を満たしている人に比べて、約2倍も歯周病になりやすいことがわかっている。

 

3. 爪の皮がしょっちゅうむけている?

骨や歯と同様、健やかで丈夫な爪に育てるためにもカルシウムが必要とされる。マニキュアを塗っても見た目がキレイにならないのは、カルシウムが足りていない証拠かもしれない。

「カルシウムの最も優良な供給源は、食べ物です」と、シンガー医学博士。カルシウム不足だと思う人は、乳製品(カルシウムが豊富な牛乳やヨーグルト、チーズ)に、ほうれん草やケールなどの緑葉野菜、栄養が強化された食品の摂取量を増やすこと。ジュースや朝食、豆乳(カルシウムは容器の底に沈殿しやすいので、飲む前はよく振るように)、シリアル、スナック、パンにも、品物によってはカルシウムが含まれているものは多いので、これらも利用するといい。