2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

40秒の高強度間欠的運動が、30分以上の有酸素運動と同等の「最大酸素摂取量」を向上させること

早稲田大学(早大)は4月12日、トレーニング効果を生み出す「最少(の運動)量」のメカニズムについて、強度の工夫によって、短時間であっても大きな運動効果をもたらし得ることを発見したと発表した。 同成果は、早大 スポーツ科学学術院の川上泰雄教授、国立ス…

立位バランスに必要な様々な感覚の貢献割合

立位バランスを維持するためには、主に三つの感覚系が関わっています:視覚、前庭感覚(内耳にある平衡感覚)、そして前述した固有感覚(プロプリオセプション)。これらの感覚系が相互に情報を統合し、身体の安定を維持します。若年者と高齢者でのこれら感…

スロートレーニングとプロプリオセプションの関係

スロートレーニング(スロートレーニングは、ゆっくりとした動きで筋肉を鍛えるトレーニング方法です)とプロプリオセプション(固有感覚)の関係は密接です。 スロートレーニングは、ゆっくりと筋肉を伸縮させることで筋力を高め、バランス感覚や体の動きの…

プロプリオセプションと高齢者の運動療法

高齢者のプロプリオセプションを刺激し、能力を向上するための運動療法は、バランスや筋力を向上させるための様々な運動を含むプログラムとして設計されることが一般的です。 以下に、プロプリオセプションを刺激するためのエビデンスのある運動療法の内容、…

頸静脈怒張は心不全の徴候の一つであり、重要な循環器のフィジカルアセスメント

Q. 体水分バランスの把握に頸静脈怒張のアセスメントが重要ということですが、うまく確認することができません。観察のコツはありますか? A.観察のコツは、頸部の回旋、腹部の圧迫、ペンライトなどがあります。 頸静脈怒張は心不全の徴候の一つであり、重要…

長谷川式簡易検査(HDS-R)のカットオフ値

長谷川式簡易検査(HDS-R)のカットオフ値は、20/21点です。この点数が認知症のスクリーニングにおける弁別力が最も高いとされています。 得点が20点以下の場合、認知症の疑いがあります。 ただし、この検査はあくまでスクリーニングであり、認知症の診断を…

変形性膝関節症における筋力トレーニングの膝関節痛軽減メカニズム**

**変形性膝関節症における筋力トレーニングの膝関節痛軽減メカニズム** 変形性膝関節症における筋力トレーニングが膝関節の痛みの軽減に効果があるというメカニズムは、いくつかの生理学的変化に基づいています。 **1. 関節への荷重負担の軽減** * 筋力が向…

不安定盤上でのバランス練習が歩行安定性に及ぼすメカニズム**

**不安定盤上でのバランス練習が歩行安定性に及ぼすメカニズム** 不安定盤上でのバランス練習が歩行の安定性を向上させるメカニズムは、以下のように多面的です。 **1. 筋活動の最適化:** * 不安定盤では、バランスを維持するために追加の筋活動が必要になり…

長期的な睡眠薬使用が認知症のリスクを増加させる可能性を示唆

睡眠薬と認知症の関係はまだ完全には解明されていませんが、長期的な睡眠薬使用が認知症のリスクを増加させる可能性を示唆する研究結果があります。 * フランスの大規模なコホート研究: 平均78歳の住民1000人以上を対象に最長15年追跡調査。睡眠薬を服薬して…

*加齢に伴う睡眠時間の短縮の理由**

**加齢に伴う睡眠時間の短縮の理由** 加齢に伴う睡眠時間の短縮には、次のような要因が挙げられます。 **1. 松果体のメラトニン分泌量の低下:** 松果体は睡眠ホルモンであるメラトニンを分泌する器官です。加齢とともにメラトニンの分泌量が減少するため、眠…

「利尿薬」タイプと注意すべき副作用

「利尿薬」は体内の水のコントロールを手助けしてくれますが、クスリなので当然、注意すべき点があります。そして同じ利尿薬でも、「ナトリウム利尿」と「水利尿」では注意すべき点が少し異なってきます。 まずは、ナトリウム利尿で尿の量を増やす利尿薬の注…

認知症の発症リスクのうち、「自分次第で改善できる9つのリスク要因」

2017年に英国の医学雑誌「ランセット」が数々の研究結果を解析し、認知症の発症リスクを高めるさまざまな要因のうち、「自分次第で改善できる9つのリスク要因」を発表している。 そのリスク要因は年代によって分かれていて、小児期の「①低学歴(11~…

ビフィズス菌が記憶力低下を予防する

近年、腸内細菌とアルツハイマー病が密接に関連していることが明らかになりつつある。それに関する研究は国内外問わず複数あるが、注目されているもののひとつが腸の代表的な善玉菌、ビフィズス菌MCC1274株に関する研究だ。 ビフィズス菌にはさまざまな株が…

糖尿病患者で骨折リスクが高くなる要因

Q1 糖尿病患者で骨折リスクが高くなる要因は? Anser. 糖尿病患者では、糖尿病のない人と比べて骨折のリスクが高くなります。 インスリン作用不足や糖化最終産物の蓄積による骨質の低下や、バランス感覚の悪化や視力低下による易転倒性などが要因として考え…

アルツハイマー病リスクに対する身体活動の影響~メタ解析

アルツハイマー病リスクに対する身体活動の影響~メタ解析 すべての原因による死亡率や認知症を減少させるために、身体活動(PA)は有用である。しかし、アルツハイマー病リスクに対するPAの影響については、議論の余地が残っている。中国医科大学付属第一医…

高齢者は、幸せな顔の表情ではなく、悲しい顔の表情に対する視覚的注意力が低下し、知覚が損なわれる

顔の感情表現:老齢者と若年者の知覚領域から運動領域まで Loi, Nicola, et al. "Faces emotional expressions: from perceptive to motor areas in aged and young subjects." Journal of Neurophysiology 126.5 (2021): 1642-1652. [ハイパーリンク] DOI, …

**ピーナッツが血圧を下げるメカニズム**

**ピーナッツが血圧を下げるメカニズム** ピーナッツに含まれる成分が、以下のメカニズムによって血圧を下げる可能性があります。 * **アルギニン:** ピーナッツには、血管を拡張する一酸化窒素の生成を促進するアミノ酸アルギニンが含まれています。 * **レ…

湿度の閾値を下回ると呼吸器疾患が増悪する

**湿度の閾値** 研究によると、湿度の閾値を下回ると呼吸器疾患が増悪する可能性があります。この閾値は疾患の種類や個人の健康状態によって異なりますが、一般的には次の範囲です。 * **30~40%**:喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、嚢胞性線維症 * **40~5…

嚥下過程と胸鎖乳突筋

胸鎖乳突筋は、嚥下時に重要な役割を果たします。 この筋肉は首の側面を斜めに通り、頭部の動きを支援すると同時に、嚥下過程においても機能します。具体的には、胸鎖乳突筋は首を左右に回旋させる働きを持ち、屈曲、側屈といった頚部の動きにも関与します。…

動脈硬化と足の血流

動脈硬化が進行して足の血流が悪くなると、足にしびれや痛みの症状が現れます。これは「閉塞性動脈硬化症(ASO)」と呼ばれ、血流の低下から足の冷感や、歩いているとふくらはぎが張ったりしびれが生じ、休憩を挟むと症状が治まる「間欠性跛行(はこう)」が…

健康食材ピーナツの血圧低下効果

米ハーバード大学の研究チームが30年にわたって12万人の食生活を調べたところ、死亡率を大きく下げる食材のひとつにピーナツがあった。 「ピーナツには飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸がバランスよく含まれていて、悪玉コレステロールを下げ、血管を丈夫にする作用…

リスク要因と治療法、心不全の概要

「心不全とは、心臓が悪いために息切れやむくみが起こり、だんだん悪くなって生命を縮める病気です」と言うのは、九州大学大学院医学研究院循環器内科学の筒井裕之教授だ。 心不全は、高血圧、糖尿病、動脈硬化といった生活習慣病がリスク要因になる(ステー…

**気温と湿度の呼吸器疾患増悪への影響**

**気温と湿度の呼吸器疾患増悪への影響** 気温と湿度は、呼吸器疾患の増悪に影響を与える可能性があります。 **気温** * **低温:** 低温は気道を収縮させ、気管支の粘液の濃度を高める可能性があります。これにより、気道が狭くなり、喘息や慢性閉塞性肺疾…

ストローの嚥下障害に対する有効性

**ストローの嚥下障害に対する有効性** ストローの使用は、嚥下障害のある個人の飲み物摂取の安全性を向上させることができます。以下はその理由です。 * **飲み物の流入速度の制御:** ストローは、飲み物の流入速度を制限し、誤嚥を減らすことができます。…

早期から中等度の変形性膝関節症を関節内ヒアルロン酸で治療することの費用対効果

要約 紹介: 変形性膝関節症(OA)の初期段階では、患者が疾患進行の後期段階に進行するのを待つよりも、関節内ヒアルロン酸(IA-HA)の方が有益であることが実証されています。 高分子量(HMW)HAは、軽度から中等度の膝関節OAにおいて低分子量(LMW)HA製品よりも…

研究デザインの種類とエビデンスレベル

患者さんに介入(治療的・予防的)、教育・指導、環境調整を行うには、いくつかの選択肢があります。その複数の選択肢の中から、患者さんの状態、評価・介入に関する最新の知見、理学療法士の専門的技能・経験、反応などの情報をもとに、その時点で最も適切…

全人工股関節置換術(THA)後の離床のリスク管理として脱臼予防

Q.全人工股関節置換術(THA)後の離床のリスク管理として脱臼予防が重要ということですが、術式と侵襲を加えた方向以外に注意すべきポイントはありますか? ※THAは股関節の悪い患者さんに多くの恩恵をもたらしますが、長い年月が経過すると緩みが生じ、入替…

紙媒体と電子媒体の読書が認知機能に与える影響:脳機能の視点から

**論文:** * **タイトル:** 紙媒体と電子媒体の読書が認知機能に与える影響:脳機能の視点から * **著者:** Mangen, A., & Velay, J. L. * **ジャーナル:** Frontiers in Psychology, Vol. 5, Article 1132, 2014 **脳機能の働きの相違:** 紙媒体と電子媒体…

側方からの段差昇降運動の高さによる筋活動量の比較

**論文:** * **タイトル:** 側方からの段差昇降運動の高さによる筋活動量の比較 * **著者:** 田中健太郎、吉田直樹 * **ジャーナル:** 理学療法科学, Vol. 21, No. 1, pp. 1-6, 2006 **結果:** 被験者は健康な成人20名で、10cmと20cmの高さの段差昇降運動を…

湿度が気管支喘息の症状を悪化させるメカニズム**

**湿度が気管支喘息の症状を悪化させるメカニズム** 湿度が低いと、気管支喘息の症状を悪化させることが知られています。そのメカニズムは次のとおりです。 **粘液分泌の減少:** 湿度の低い環境では、気道の水分が蒸発して気道が乾燥します。これにより、気…