アップルウォッチの心電図による左室機能不全の検出

 

スマートウォッチによる左室機能不全の検出の前向き評価

 

[背景・目的] 人工知能(artificial intelligence, AI)アルゴリズムは、12誘導心電図(electrocardiograms, ECG)から駆出率(ejection fraction, EF)≦40%と定義される心機能障害を特定できることが示されているが、スマートウォッチの単一誘導心電図を用いた心機能障害の特定はまだ検証されていない。

 

 

[方法] 本研究では、Mayo Clinicの患者を対象に、Apple watchの心電図を安全なデータプラットフォームに送信するMayo Clinic iPhoneアプリケーションをダウンロードするようメールで呼びかけた前向き研究において、患者の研究アプリへの関与と心電図の診断的有用性を検討した。

 

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[結果] 米国46州と11カ国から2,454人のユニークな患者(平均年齢53±15歳、女性56%)をデジタル登録し、2021年8月から2022年2月の間に125,610枚のECGをデータプラットフォームに送信した。421人が心エコー検査から30日以内に少なくとも1枚の時計分類の洞調律ECGが登録されたが、そのうち16人(3.8%)がEF ≤ 40%であった。AIアルゴリズムは、30dウィンドウ内の平均予測値またはEFを決定した心エコー図に最も近い心電図をそれぞれ用いて、0.885(95%信頼区間0.823-0.946)および0.881(0.815-0.947)の曲線下面積で低EF患者を発見した。

 

 

[結論] これらの知見は、非臨床環境で取得されたApple watchの心電図が、生命を脅かす可能性があり、しばしば無症状である心機能障害患者の特定に使用できることを示す。