透析前の慢性腎臓病患者に対する有酸素運動の効果:無作為化対照試験のシステマティックレビュー

 

[背景・目的] 透析導入前の患者を対象に、有酸素運動単独と通常ケアの運動耐容能、機能能力、QoLを評価した無作為化比較試験(RCT)を系統的にレビューすること。

[方法] 2021年2月までにMEDLINE、Cochrane CENTRAL、EMBASE、PEDro、LILACSのデータベースで検索し、ピークVO2、機能的能力、下肢筋力、QoLに対する有酸素運動の効果を評価したRCTを対象としている。ランダム効果メタ解析モデルを用い、平均差(MD)と95%信頼区間(CI)、RoB2.0によるバイアスリスク、GRADEによる証拠品質として報告された。

[結果] 10件のRCT、365人の患者を対象とした。有酸素運動はピークVO2で2.07ml/kg/min(95%CI = 1.16 to 2.98; I2= 24%、QoE中程度)、6MWTで77.78m(95%CI= 33.27 to 122.30; I2= 44.5%、QoE中程度)、STS-30で7.65回(95%CI= 5.73 to 9.58; I2= 0 %、 QoE中程度)対通常ケアで増加していた。QoLでは、アンケートスコアの改善を報告した研究があった。

[結論] 有酸素運動は、透析前患者のVO2ピーク、機能的能力、下肢筋力を増加させる。QoLへの効果は有益であると思われる。

[臨床意義] 有酸素運動は、慢性腎臓病のどの段階の患者さんのリハビリテーションにおいても奨励されるべき。有酸素運動は、運動耐容能、機能的能力、下肢の筋力の改善を促します。QOL(生活の質)の向上に有益であることを示すいくつかのエビデンスがある。

 

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