3つのバランス戦略、①足関節戦略、②股関節戦略、③ステップ戦略

3つのバランス戦略がある、①足関節戦略、②股関節戦略、③ステップ戦略だ。


その中で、今回の論文が着眼した足部・足指が深く関わる①足関節戦略の役割とは、何だろう。

 

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足関節戦略は、支持基底面内における質量中心(center of mass: COM)の微細な変動に対応する。その働きは、絶対的な力の大きさとしては小さい。
だが、大きな船(身体)全体のその後の方向性を規定する。

COMのズレはじめに軌道修正することが重要で、安定性限界ギリギリの局面にあっては、COMを中心に戻すことには非常に大きな力が必要となる。小さな力、と馬鹿にはできない。それをやっているのが、足関節戦略だ。

では、足部内在筋は、何をやっている?
比喩が多くなるが、一言でいえば、「上司と部下の間でうまくやる中間管理職」


この場合、上司は身体で、部下は地球(外環境)だ。
たとえば、COMが前方に偏位していたとして、足関節がCOMを後方に戻すために足関節底屈筋力を発揮したとしよう。


このとき、母趾側(内側)に石があったとしたら、どうだろう。
一様の底屈出力が内側でも外側でも地面に発揮されたら、内側からの反力だけ強くなって、外側に不安定になりやすいことが危惧される。


・横に曲がるなら、ショートフットの横径を小さくするように緩めたり、
ダッシュするなら最大剛力を発揮するように固めたり、
・砂利のような路面なら表面積を広めるように足指末端まで踏ん張ったり・・・

実際、足部内在筋が提供する体性感覚入力は、バランスに貢献し、足部固有筋を鍛えることで、疲労に対する抵抗力が増し、足部固有筋の感覚受容器が足の位置を感知することができる、ことが報告されている(📕 McKeon, 2015 >>> doi.)。

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