前額面における姿勢保持と股関節の役割

 

前額面での姿勢保持に関与する主要な関節とその働きの割合については、以下の研究結果が参考になります。

 

 

Sawai et al. (2020)の研究では、側方ステップ動作時の関節モーメントを解析しています。その結果は以下の通りです。

 

股関節:

体重移動期: 60%
支持脚期: 48%


膝関節:

体重移動期: 25%
支持脚期: 33%


足関節:

体重移動期: 15%
支持脚期: 19%


この研究結果から、側方動作時の前額面での姿勢制御には、股関節が最も大きく関与し、次いで膝関節、足関節の順であることがわかります

 

 

また、Hof (2007)の研究では、静止立位時の前額面での姿勢制御における関節の寄与度合いが報告されています。

股関節: 54%
膝関節: 17%
足関節: 29%

 

この結果も、股関節が前額面での姿勢制御に最も重要な働きをしていることを示しています。

 

 

さらに、Earl and Héroux (2001)の研究では、前額面での動的姿勢制御時の関節モーメントを分析しており、以下の割合が報告されています。

 

股関節: 62%
膝関節: 22%
足関節: 16%

 

これらの研究結果から、前額面での静的・動的な姿勢制御のいずれにおいても、股関節の役割が最も大きいことがわかります。

 

つまり、側方動作におけるバランス維持には、股関節の可動性と股関節周りの筋力が特に重要であると言えます。