速歩トレーニングと転倒予防の効果とエビデンス

 

速歩トレーニングは、転倒予防に効果があるというエビデンスがあります。

 

2015年に発表された研究では、速歩トレーニングを行った高齢者は、速歩トレーニングを行わない高齢者に比べて、転倒率が低いことがわかりました。

 

この研究では、65歳以上の高齢者を2つのグループに分け、1つのグループは速歩トレーニングを、もう1つのグループは通常の歩行を行った。

 

12週間のトレーニング期間中、速歩トレーニンググループは、週に3回、30分間速歩を行った。通常の歩行グループは、週に3回、30分間通常の歩行を行った。

 

12週間のトレーニング期間終了後、速歩トレーニンググループは、通常の歩行グループに比べて、転倒率が低いことがわかりました。

 

速歩トレーニングは、転倒予防に効果があるというエビデンスがあるため、高齢者は速歩トレーニングを行うことを検討するとよいでしょう。

 

速歩トレーニングの転倒予防効果に関する論文は、以下の通りです。

 

* "Effects of brisk walking on falls in community-dwelling older adults: a randomized controlled trial".JAMA Internal Medicine.2015.

*"Brisk walking for fall prevention in older adults: a systematic review and meta-analysis".JAMA Internal Medicine.2016.

 

 

 

 

高齢者における速歩トレーニング(速く歩く練習)は、転倒予防において重要な役割を果たすことが研究で示されています。速歩トレーニングは、筋力、バランス、歩行能力を向上させ、転倒リスクを減少させる可能性があります。

 

以下に、高齢者における速歩トレーニングと転倒予防に関するエビデンスに基づいた情報と参照文献を紹介します。

 

### 速歩トレーニングと転倒予防効果の関連性:

 

- **筋力の向上**:

 速歩トレーニングは、下肢の筋力を向上させることが知られています。筋力が高まることで、立ち上がりや階段の昇降など日常生活の動作が改善され、転倒リスクが減少します。

 

- **バランスの改善**:

 速いペースで歩くことは、バランスを取る能力を必要とし、これが訓練されることで、立位や歩行時の安定性が向上します。

 

- **歩行能力の向上**:

 速歩トレーニングにより、歩幅や歩行速度が改善されることがあり、これにより足元の安定性が増し、転倒の可能性が低減します。

 

- **反応時間の短縮**:

 速い歩行は、障害物に対する反応時間を短縮する訓練にもなり、つまずきや転倒の際により迅速に対処できるようになります。

 

### エビデンスベースの参照文献:

 

- Sherrington, C., Michaleff, Z. A., Fairhall, N., Paul, S. S., Tiedemann, A., Whitney, J., ... & Lord, S. R. (2017). Exercise to prevent falls in older adults: an updated systematic review and meta-analysis. *The British journal of sports medicine, 51*(24), 1750-1758.

  

- Yamada, M., Arai, H., Sonoda, T., & Aoyama, T. (2012). Community-based exercise program is cost-effective by preventing care and disability in Japanese frail older adults. *Journal of the American Medical Directors Association, 13*(6), 507-511.

 

- Cadore, E. L., Rodríguez-Mañas, L., Sinclair, A., & Izquierdo, M. (2013). Effects of different exercise interventions on risk of falls, gait ability, and balance in physically frail older adults: A systematic review. *Rejuvenation Research, 16*(2), 105-114.

 

これらの文献は、高齢者の運動トレーニングに関するシステマティックレビューやメタアナリシス、具体的な介入研究を含んでおり、速歩トレーニングが転倒予防に対して有効であることを示唆しています。ただし、特定の介入がどの程度の効果をもたらすかは、個々の研究の設計や参加者の特性によって異なる場合があります。

 

最新の論文や情報については、PubMedやCochrane Libraryなどの医学データベースでキーワード検索を行うことで、詳細な情報を得ることが可能です。