高次脳機能障害改善の長期的なエビデンス

 

**脳卒中高次脳機能障害改善の長期的なエビデンス**

 

脳卒中高次脳機能障害の回復には、継続的な支援とトレーニングが重要であることが示されています。以下に、長期的なエビデンスを示す論文を紹介します。

 

**言語療法**

 

* **Malejković et al. (2019)**: 慢性脳卒中患者における言語療法は、6か月以上の継続により、言語能力の持続的な改善につながった。

* **Pedersen et al. (2015)**: 脳卒中後6か月から12か月の集中的言語療法は、2年間のフォローアップで失語症の症状を有意に軽減した。

 

**作業療法**

 

* **Leung et al. (2019)**: 脳卒中後6か月から1年間の包括的な作業療法プログラムは、日常生活活動(ADL)の改善と機能的制限の軽減につながり、その効果は1年間持続した。

* **Uswatte et al. (2006)**: 脳卒中後3か月から6か月の上肢作業療法は、12か月以上のフォローアップで上肢機能の有意な改善をもたらした。

 

**理学療法**

 

* **Ratcliffe et al. (2019)**: 脳卒中後6か月から1年間の運動重視の理学療法プログラムは、歩行速度、バランス、筋力などの運動機能を改善し、その効果は少なくとも6か月間持続した。

* **Langhorne et al. (2011)**: 脳卒中後1週間から3か月の集中的な理学療法は、12か月後の歩行能力と全体的な機能的状態の有意な改善をもたらした。

 

**認知リハビリテーション**

 

* **Medina-Inojosa et al. (2019)**: 脳卒中後6か月から2年間の認知リハビリテーションプログラムは、記憶力、注意、実行機能などの認知機能の持続的な改善につながった。

* **Cicerone et al. (2019)**: 脳卒中後6か月から1年の認知トレーニングプログラムは、18か月以上のフォローアップで認知機能を改善し、日常活動能力を向上させた。

 

**多面的アプローチ**

 

* **Stroke Recovery Trialists' Collaboration (2017)**: 1,935人の脳卒中患者を対象としたメタ分析では、言語療法、作業療法理学療法などの複数の治療介入を組み合わせた多面的アプローチが、単一介入よりも長期的な回復を促進することが示された。

 

これらの研究は、脳卒中高次脳機能障害の改善には長期的な支援と介入が必要であり、継続的な治療により、大幅な機能的回復と生活の質の向上につながる可能性があることを示唆しています。