胸郭出口症候群の病態

胸郭出口症候群は神経や血管が絞扼される場所によって、①斜角筋症候群、②肋鎖間隙症候群、③過外転症候群の3つに分類されます。

 

しかし、現れる症状はどの症候群も同じです。

 

したがって、効果的な運動療法を行うためには、神経や血管がどの部位で絞扼されているのかを正確に判別し、なぜそのような絞扼が起こっているのか、その理由を探る必要があります。

 

これにより、適切な対処が可能となります。

 

 

概要

胸郭出口症候群とは、 腕神経叢や鎖骨下動脈・静脈が斜角筋三角、肋鎖間隙、小胸筋間隙で絞扼されることで、 上肢の痛みや痺れ、握力低下などの症状を発生することを言います。

 

胸郭出口症候群は基本的に運動療法を中心とした保存療法が行われます。

 

胸郭出口症候群は神経や血管が絞扼される場所により斜角筋症候群、肋鎖間隙症候群、過外転症候群の3つに分類されますが、現れる症状は各症候群ともに同じです。

 

したがって、運動療法で治療効果を出すためには、 神経、血管がどの部位で絞扼されているかを判別し、なぜそのような絞扼が起こっているのか、 その理由を探り的確に対処していかなければなりません。

 

 

胸郭出口症候群では、以下のテストでチェックをすることができます。
ライトテストとアドソンテストは家族など、他の人の力も必要となります。

ライトテスト

手首で脈拍を確認してもらいながら腕を開いて肩まで挙上し、手のひらが上になるように肘を直角に曲げます。この状態で脈が触れなくなったり、弱くなったりした場合は陽性です。

アドソンテスト

手首で脈拍を確認してもらいながら、あご先をあげて、症状が生じる側に顔を向けます。この状態で脈が触れなくなったり、触れにくくなったりした場合は陽性です。

ルーステスト

脈を触れる必要はありません。ライトテストと同じような姿勢をとって、手をグー・パーと握ったり開いたりします。これを3分間続けることができなければ陽性です。

ルーステストの有効性が一番高いとされますが、他のテストの結果も合わせて判断するとより高い精度で判定できます。

 

テスト方法を説明する図です