グーパー運動の血圧に関する影響

 

血圧=(心拍出量)×(血管抵抗)で表されます。

 

血圧は、筋肉運動の最中は上昇する傾向がありますが、これは心拍出量が増加するためです。

 

しかし、筋肉運動を継続することで、上(収縮期)、下(拡張期)の血圧と3~4%低下することを、一九九七年、米国のケリー博士らが、実証しています。 これは、筋肉運動により、筋肉細胞の周辺の毛細血管が増生され、末梢血管抵抗が低下する結果と思われます。

 

カナダのマクマスター大学の研究チームが「米国心理学会」(二〇〇四)で発表した「グーパー運動の血圧に関する影響」の内容は、とても興味深いものです。

 

「30人の被験者に、週3回、1度につき10回のグーパー運動を8週間させたところ、上(以縮時)の血圧が下がった」の8人の被験者に、1日4回、1回につき 2分間のグーパー運動を8週間課したとこ ろ、上の血圧が顕著に下がった」 というものです。

 

この運動の実験期間中、エコー(超音波) で 、頸動脈の硬化度を調べてみたところ、実験前と後では、頸動脈の弾力が増し柔らかくなっていた、といいます。

 

よって、血圧の低下は、動脈硬化の改善によってもたらされたともいえます。