脈圧(収縮期血圧と拡張期血圧の差)が大きい場合と小さい場合の違い

 

Q.
脈圧(収縮期血圧拡張期血圧の差)が大きい場合と小さい場合の違いを教えてください。
 

 


A.
脈圧の正常値は40~60mmHgです。


 
まず、脈圧が大きくなる場合ですが、脈圧65mmHg以上で心筋梗塞や脳血管疾患のリスクが高くなるといわれています。
 
脈圧が大きい場合は、血管壁が硬く血液が流れにくい状態が予測されます。
 
大動脈の伸展性が低下した結果、拡張期血圧が上昇せず、脈圧が増大する、いわゆる動脈硬化と考えられます。
 
離床時に脈圧上昇を示している場合には、脳血管疾患・心疾患 など、急変を起こす疾患が隠れていることを考慮して進めることが大切となります。

 


 
反対に、脈圧が小さくなるのは心臓のポンプ機能が低下したときです。
 
たとえば血圧130/80mmHgならば脈圧は50mmHgですが、これが80/60mmHgとなれば脈圧は20mmHgなります。
 
この変化では心臓が半分以下の収縮、拡張しかしていないことになります。
 
この状態で離床を行うと、末梢および主要臓器への循環が障害され、ショック状態に陥る可能性があります。


 
そのため、他のバイタルサイン、フィジカルアセスメントも併せてアセスメントしながら離床の可否を決定することをお勧めします。