運動が血圧を下げる「メカニズム」

 

高血圧は、心筋梗塞脳卒中などの死に至る病につながる危険因子である。運動によって高血圧を下げるメカニズムは、脳への衝撃が「間質液」を動かし、細胞を刺激することで、血圧を下げるうえで重要な働きをしている「アンジオテンシン受容体」の発現を抑えることにある。

 

ラットを用いた実験では、頭部に衝撃を与えると、アンジオテンシン受容体発現が抑えられ、血圧が低下した。人間を対象とした実験でも、専用のイスに座って上下に動くことで、血圧が低下した。この効果は、イスに乗るのをやめても1ヵ月間持続した。

 

日常生活でこの研究の成果を活かすには、階段を下りることを意識することが有効である。階段を下りることで、脳に衝撃がくわわり、血圧が低下する。また、8秒ジャンプも、脳への衝撃をあたえることで血圧を下げる効果がある。8秒ジャンプは、1秒間に2回を目安に8秒間、合計16回、リズムよくジャンプする運動である。これを1セットやったら5~10秒休んで、もう1セット……と繰り返し、全部で5セット行う。

 

高血圧に悩んでいる人は、減塩や降圧剤の服用、激しい運動をしなくても、階段を下りたり、8秒ジャンプをしたりすることで、効率的に血圧を下げることができる。

 

また、高血圧を下げるためには、食生活や生活習慣にも気を配ることが大切である。塩分を控え、野菜や果物を多く摂るように心がける。また、適度な運動を習慣にすることも重要である。週に2~3回、30分程度のウォーキングやジョギングを行うと良いだろう。

 

高血圧は、放置すると心筋梗塞脳卒中などの重篤な病気を引き起こす可能性がある。血圧が高い人は、医師の指示に従って適切な治療を受け、血圧をコントロールすることが大切である。