**強い脈と弱い脈が混在する場合の疾病の見分け方のポイント**

 

**強い脈と弱い脈が混在する場合の疾病の見分け方のポイント**

 

出典:

* [脈診学による病態生理把握法](https://www.jstage.jst.go.jp/article/kango/37/10/37_10_1327/_pdf/-char/ja)

 

**1. 脈の強弱が左右対称か非対称か**

 

* 対称性:心疾患の可能性が高い。

* 非対称性:局所的な循環障害の可能性が高い。

 

**2. 強い脈の強さと弱い脈の弱さ**

 

* 強い脈が明らかに強く、弱い脈が極端に弱い:動脈閉塞または狭窄の可能性が高い。

* 両方の脈が比較的弱いが、一方の脈がわずかに強い:静脈還流障害の可能性が高い。

 

**3. 脈の拍動数とリズム**

 

* 徐脈:甲状腺機能低下症、心ブロックの可能性が高い。

* 頻脈:甲状腺機能亢進症、心不全の可能性が高い。

* 不整脈:心房細動、心房粗動などの心疾患の可能性が高い。

 

**4. 脈の触知部位**

 

* 手首の橈骨動脈:動脈閉塞や狭窄などの全身的な循環障害の可能性が高い。

* 足首の足背動脈:下肢の動脈閉塞や狭窄の可能性が高い。

* 頸動脈・頭蓋底動脈:脳血管疾患の可能性が高い。

 

**5. その他の身体所見**

 

* 血圧:高血圧または低血圧があれば、それらに関連する疾患の可能性が高い。

* 心音:心雑音や不整脈があれば、心疾患の可能性が高い。

* 浮腫:末梢浮腫があれば、静脈還流障害の可能性が高い。

 

これらのポイントを組み合わせることで、強い脈と弱い脈が混在する場合の疾病を鑑別することができます。ただし、最終的な診断には、患者の病歴、身体診察、追加検査が必要になる場合があります。