食事量の影響が日常生活の運動量の影響よりも体重増加に与える影響が大きい理由

 

食事量の影響が日常生活の運動量の影響よりも体重増加に与える影響がはるかに大きい理由は以下の2つです。

 

**1. カロリー摂取量と消費量の差**

 

体重を維持するには、消費するカロリーと摂取するカロリーのバランスがとれている必要があります。日常生活の運動量を増やすことで消費カロリーを増やすことができますが、食事量を減らすことで摂取カロリーを減らす方がはるかに効果的です。

 

**具体例:**

 

* 体重70kgの人が1日あたり500kcalの食事摂取量を減らすと、年間で約22kgの体重減少につながります。

* 体重70kgの人が週に3時間のウォーキングを追加すると、年間で約6kgの体重減少につながります。

 

**2. 代謝的適応**

 

日常生活の運動量を増やすと、体はエネルギーコストを軽減するために代謝を調整します。これにより、静止時のエネルギー消費が低下します。

 

一方、食事量を減らしてカロリー摂取量を減らすと、体は代謝を維持または増加させようとします。これにより、静止時のエネルギー消費が増加します。

 

**論文の例:**

 

* Hall, K. D., & Guo, J. (2013). The role of energy expenditure in the maintenance of body weight. Annual Review of Nutrition, 33, 227-247. https://doi.org/10.1146/annurev-nutr-071812-161301

 

この研究では、減量後に体重を維持した人々のエネルギー消費に関する長期的な研究を実施しました。研究の結果、体重を維持できた人々は、体重増加前に比べて安静時代謝が高いことがわかりました。

 

つまり、食事量を減らしてカロリー摂取量を減らす方が、日常生活の運動量を増やすよりもカロリー消費を大幅に増加させ、体重増加を防ぎます。