誤嚥対策のポイント: 胸鎖乳突筋の柔軟性と聴診

 

Q. 不顕性誤嚥に早く気付くための呼吸アセスメントのポイントを教えてください。
 

 


A.
ズバリポイントは「胸鎖乳突筋」の柔軟性と「聴診」です。
 
誤嚥性肺炎は、咳嗽やムセで発症するものばかりではなく、不顕性誤嚥と言って、誤嚥していてもムセることなく肺炎を起こし、発熱や炎症反応の増加によって気づく誤嚥もあります。
 
脳卒中片麻痺などの既往があり、ADLに介助を要する人は、不顕性誤嚥に要注意です。
 
リスクが高い人を見分けるポイントは「胸鎖乳突筋」の柔軟性です。
 
固くなっている人は、普段から頚部の使用頻度が少なく、嚥下に関連する筋の筋力低下も疑われます
 
このような患者さんは、普段の熱やSpO2のベースラインを知っておくことで、
いち早く変化に気づくことができます。


 
「聴診」は、忙しい臨床では、肺全体を聴いている時間がないこともあると思います。
 
そこで、ターゲットを絞った聴診がお勧めです。


 
不顕性誤嚥の発生は、下肺下部(S7 ~ S10)に多く、中葉・舌区に起こるのは稀です。
 
つまり、背中側にターゲットを絞った聴診やアセスメントをするのがポイントになります。