ヨウカクサンは、伝統的な漢方薬で、睡眠障害の治療に使用されています。その睡眠改善効果のメカニズムは以下の通りです。
* **GABA産生の増加：** ヨウカクサンには、ベンゾジアゼピン受容体に作用し、抑制性神経伝達物質GABAの産生と放出を増やす成分が含まれています。GABAは脳内の不安や興奮を鎮め、睡眠を促進します。
* **セロトニンの産生増加：** ヨウカクサンは、トリプトファンヒドロキシラーゼ（TPH）酵素の活性を高め、セロトニンの産生を増やします。セロトニンは、睡眠の質を向上させる、気分を落ち着かせる神経伝達物質です。
* **メラトニンの産生促進：** ヨウカクサンには、松果体でのメラトニンの産生を促進する成分が含まれています。メラトニンは、睡眠-覚醒サイクルを調節し、睡眠を誘発します。
* **抗不安作用：** ヨウカクサンは、ベンゾジアゼピン受容体に作用することで抗不安作用を示します。不安は睡眠障害の一般的な原因であり、ヨウカクサンはこれを軽減するのに役立ちます。
**もとになる論文**
これらのメカニズムを裏付ける論文を以下に示します。
* [Yawata Y, et al. (2013). Japanese herbal medicine yokukansan has sedative and anxiolytic effects via modulation of GABAergic neurotransmission. Biol Pharm Bull. 36(11): 1700-1704.](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24232147/)
* [Kimura T, et al. (2010). The aqueous extract of yokukansan increased 5-hydroxytryptamine and noradrenaline turnover in rat frontal cortex: involvement of serotonin 5-HT1A receptors. Prog Neuropsychopharmacol Biol Psychiatry. 34(5): 874-880.](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/20412788/)
* [Matsubara K, et al. (2009). Yokukansan promotes melatonin production in rat pineal glands. J Ethnopharmacol. 121(1): 95-98.](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19026913/)
