皮膚をつまんで離した際に皮膚のシワが10 秒以上残ることをツルゴール低下

Q.
手の甲や腕でツルゴールをアセスメントすることが多いのですが、高齢者の手の甲では、皮膚のしわによるものなのか、脱水によるものなのか判断に悩みます。手の甲・腕以外でツルゴールは評価されるのでしょうか?
 

 


A.
皮膚をつまんで離した際に皮膚のシワが10 秒以上残ることをツルゴール低下と呼びます。
 
また、ハンカチをつまみ上げて離したようにしばらく戻らないので、
ハンカチーフサイン陽性とも呼ばれ、脱水を疑う所見です。
 
高齢者は確かに皮膚にシワがあり、ツルゴールの判断に迷うことがあります。
 
その場合には、鎖骨下あたりの皮膚で判断してみてください。
 
手の甲のような末梢部より、鎖骨下の中枢部の方がより水分量を蓄えていて、
ツルゴールの判断が容易にできます。
 
つまり、鎖骨下でツルゴールが低下していたら、かなり脱水は進んでいることを示唆します。
 
また、ツルゴールやハンカチーフサインだけで脱水を確定することはできないため、
他のアセスメントも知っておく必要があります。
 
例えば、末梢血管再充填時間の延長、口腔内や脇の乾燥、脈拍が速いなど、
他の評価・検査を統合して脱水を疑い、ケアや離床を安全に行いましょう。