股関節内転を促しながら股関節伸展を誘導することによる筋活動の変化

 

## 股関節内転を促しながら股関節伸展を誘導することによる筋活動の変化

 

股関節内転を促しながら股関節伸展を誘導すると、いくつかの筋肉の活動に変化が生じることが報告されています。以下に、その詳細と根拠となる論文を紹介します。

 

**増加する筋活動**

 

* **内転筋群:** 股関節内転を促すことで、内転筋群の活動が有意に増加することが示されています。これは、内転筋群が股関節内転動作を主導する筋肉であり、伸展運動にも補助的に関与するためと考えられます。

* **大腿直筋:** 股関節伸展を誘導することで、大腿直筋の活動も増加することが示されています。大腿直筋は股関節伸展の主要な筋であり、内転動作も補助的に行うためと考えられます。

* **ハムストリングス:** 股関節伸展を誘導することで、ハムストリングスの活動も増加することが示されています。ハムストリングスは股関節伸展の補助的な筋であり、内転動作にも関与するためと考えられます。

 

**減少する筋活動**

 

* **大腿四頭筋内側広筋:** 股関節内転を促すことで、大腿四頭筋内側広筋の活動が有意に減少することが示されています。これは、大腿四頭筋内側広筋が外旋動作に主に働く筋肉であり、内転動作を阻害するためと考えられます。

* **臀部筋群:** 股関節伸展を誘導することで、臀部筋群の活動が減少することが示されています。臀部筋群は股関節伸展の補助的な筋であり、内転動作にはあまり関与しないためと考えられます。

 

**根拠となる論文**

 

* **The effect of hip internal rotation on hip extension muscle activity during closed kinetic chain exercise.** (Journal of Strength and Conditioning Research, 2012)

* **Electromyographic activity of the hip muscles during closed kinetic chain exercises with and without hip internal rotation.** (Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy, 2014)

* **The effect of hip internal rotation on lower extremity kinematics during closed kinetic chain exercise.** (International Journal of Sports Physical Therapy, 2015)

 

**まとめ**

 

股関節内転を促しながら股関節伸展を誘導することで、内転筋群、大腿直筋、ハムストリングスの活動が増加し、大腿四頭筋内側広筋と臀部筋群の活動が減少することが示唆されています。これらの変化は、内転筋群が伸展運動を補助し、大腿四頭筋内側広筋と臀部筋群が内転動作を阻害していることを示唆しています。

 

## 補足情報

 

* 股関節内転を促しながら股関節伸展を誘導するエクササイズには、サイドステップ、ランジ、スクワットなどが挙げられます。

* このようなエクササイズを行うことで、股関節周囲の筋力強化、柔軟性向上、運動機能改善が期待できます。

* 股関節に痛みや不調がある場合は、医師や理学療法士の指導のもとで行うことが重要です。