レビー小体型認知症: 幻視とパーキンソン症状の原因とは?

 

Q. レビー小体型認知症で幻視とパーキンソン症状が起こる理由と、離床時の注意点を教えてください。
 
A.
レビー小体型認知症で幻視とパーキンソン症状が起きる理由は、脳の神経細胞の「αシヌクレイン」というタンパク質を核としたレビー小体が、大脳皮質に蓄積することで、脳の神経細胞が徐々に減っていきます。
 
レビー小体型認知症では、特に視覚に関わる後頭葉神経細胞が減少するため、幻視が起こるといわれています。
 
加えてレビー小体は運動機能を司る脳幹にも溜まりやすく、神経伝達物質であるドパミンが減少するため、手の震えや筋固縮などのパーキンソン症状が併発します。
 
レビー小体型認知症患者さんの離床特に注意しなければならないのは「転倒」です。
 
姿勢反射障害で体のバランス調整が難しくなり、自律神経障害の影響で起立性低血圧が出現し、ふらついたりします。
 
さらに、頭がはっきりしている時とそうではない時に差がある(認知機能の変動)ので、注意力や集中力が低下し、より転倒する可能性が高くなります。
 
対策として、本人を含めた環境調整を行いましょう。
 
例えば、床は滑りやすい材質のものに変える、つまづきやすいものを置かないようにする、短いズボンやサイズのあった靴を履いたりしてもらうとよいでしょう。
 
また、後方から話しかけると振り返る動作の時に、バランスを崩すリスクがあります。
 
本人の正面や視界に入る位置から話しかけるのも、大切なリスク管理です。