前方アプローチによる人工股関節全置換術後の早期機能回復と痛み軽減

人工股関節全置換術(THA)において、進入法の違いが術後の回復具合や長期的な予後に及ぼす影響に関する、興味深いが報告が届きました。
 
この研究は、人工股関節全置換術(THA)を受けた患者さんを対象に、
前方アプローチ(DAA)と後方アプローチ(PA)を用いた手術の違いが、
入院期間や痛み、生活の質、予後などに影響するか調査しています。
 


その結果、前方アプローチ(DAA)の患者さんは後方アプローチ(PA)と比較して、入院期間が短く、術後半年と2年時点での機能改善のスコアが高く、より早期の機能回復と痛みの軽減が見られました。
 
また、前方アプローチ(DAA)の患者さんは、長期にわたって満足度が高いことを示す結果となったということです。
 
人工股関節全置換術(THA)患者さんに携わるうえで、手術方法の違いを考慮して、患者さん一人ひとりに合ったアプローチを行うことが重要だと感じる研究です。
 


下記の原典では、進入法の別の詳細なデータを見ることができ、参考になります。
 
是非、ご覧ください。
 
Loh, Bryan MBBS et al.Functional outcome of direct anterior versus posterior approach in total hip arthroplasty: a propensity-matched Asian study.Singapore Medical Journal ():10.4103/singaporemedj.SMJ-2021-125, February 16, 2024.
https://journals.lww.com/smj/fulltext/9900/functional_outcome_of_direct_anterior_versus.88.aspx