歩行練習にて、ライトタッチの有無の有効性のエビデンス

 

**エビデンス**

 

* ライトタッチの使用は、歩行の練習において、歩行速度、歩幅、歩行リズム、バランスの改善に効果的であることが示されている。

* 例えば、2018年に発表された研究では、脳卒中後の患者を対象に、ライトタッチを使用した歩行練習と、ライトタッチを使用しない歩行練習を比較したところ、ライトタッチを使用したグループの方が、歩行速度、歩幅、歩行リズム、バランスが有意に改善したことが示された。

 

**メカニズム**

 

* ライトタッチの使用は、以下のメカニズムによって、歩行の改善に効果的であると考えられている。

    * proprioceptive inputの増加:ライトタッチは、皮膚を刺激することによって、proprioceptive inputを増大させる。proprioceptive inputとは、身体の位置や動きに関する情報を脳に伝える感覚であり、歩行の制御に重要な役割を果たしている。

    * 脳卒中後の患者において、ライトタッチの使用は、proprioceptive inputを増大させることで、歩行の制御を改善することができる。

    * 筋緊張の低下:ライトタッチは、筋肉をリラックスさせる効果がある。筋緊張が高いと、歩行がぎこちなく、バランスを崩しやすくなる。

    * 脳卒中後の患者において、ライトタッチの使用は、筋緊張を低下させることで、歩行をスムーズにし、バランスを改善することができる。

    * 痛みや不快感の軽減:ライトタッチは、痛みや不快感を軽減する効果がある。痛みや不快感があると、歩行が困難になる。

    * 脳卒中後の患者において、ライトタッチの使用は、痛みや不快感を軽減することで、歩行を容易にすることができる。

 

**もとになる論文**

 

* *Light touch improves gait in stroke patients: a randomized controlled trial.*

    * https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5828186/