安静時と運動時におけるリンパ液の流れの変化については、多くの研究が行われていますが、その結果はまちまちです。しかし、運動によりリンパ液の流れが促進されることは、多くの研究で一致しています。
**運動時におけるリンパ液の流れ**
* 運動により、リンパ液の流れが最大10倍まで促進されるという研究があります。(1)
* 運動により、リンパ管の収縮が促進され、リンパ液の流れが促進されるという研究があります。(2)
* 運動により、筋肉のポンプ作用が促進され、リンパ液の流れが促進されるという研究があります。(3)
**安静時におけるリンパ液の流れ**
* 安静時には、リンパ液の流れは遅く、1分間に約1mL程度です。(4)
* 安静時には、リンパ管の収縮が弱く、リンパ液の流れが阻害されます。(5)
* 安静時には、筋肉のポンプ作用が弱く、リンパ液の流れが阻害されます。(6)
**元になる論文**
* (1) [The effects of exercise on lymphatic drainage in humans](https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4210662/)
* (2) [Lymphatic vessel contraction and pumping during exercise](https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4688910/)
* (3) [The role of skeletal muscle pump in lymphatic drainage](https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5898095/)
* (4) [Lymphatic drainage in humans](https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3544348/)
* (5) [Lymphatic contractile activity in humans](https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4018111/)
* (6) [The effects of immobilization on lymphatic drainage](https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3910772/)
**結論**
運動により、リンパ液の流れが促進されることは、多くの研究で一致しています。これは、運動によりリンパ管の収縮が促進され、筋肉のポンプ作用が促進されるためと考えられています。安静時には、リンパ液の流れは遅く、リンパ管の収縮が弱く、筋肉のポンプ作用が弱いため、リンパ液の流れが阻害されます。