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ヒラメ筋と腓腹筋の筋力低下が重心動揺に与える影響

## ヒラメ筋と腓腹筋の筋力低下が重心動揺に与える影響

 

**背景**  
立位における重心動揺は、特に高齢者においてバランス能力の指標として重要です。ヒラメ筋(soleus)と腓腹筋(gastrocnemius)は、足関節の安定性に寄与する主要な筋肉であり、これらの筋力低下が重心動揺にどのように影響するかを理解することは、転倒予防やリハビリテーションにおいて重要です。

 

**筋力低下の影響**  
研究によると、ヒラメ筋と腓腹筋の筋力低下は、重心動揺に異なる影響を及ぼします。以下のポイントが特に重要です。

- **ヒラメ筋の役割**: ヒラメ筋は、静的立位時における重心の安定性を維持するために重要です。ヒラメ筋の筋力が低下すると、重心動揺が増加し、立位の安定性が損なわれることが示されています。特に、ヒラメ筋は持続的な収縮が求められるため、筋力の低下が直接的に重心動揺に影響を与えることが多いです。

- **腓腹筋の役割**: 腓腹筋も重心動揺に寄与しますが、ヒラメ筋に比べてその影響は相対的に小さいとされています。腓腹筋は主に動的な動作に関与し、静的立位時にはヒラメ筋に依存する傾向があります。腓腹筋の筋力低下も重心動揺を増加させますが、その影響はヒラメ筋の筋力低下に比べて少ないと考えられています。

 

**数値的データ**  
具体的な数値データは、以下のように示されています。

- **ヒラメ筋の筋力低下**: 研究では、ヒラメ筋の筋力が50%低下した場合、重心動揺の総軌跡長が有意に増加することが観察されています。例えば、筋力低下前の重心動揺の総軌跡長が30cmであったのに対し、筋力低下後は45cmに増加したというデータがあります。

- **腓腹筋の筋力低下**: 一方、腓腹筋の筋力が同様に50%低下した場合、重心動揺の総軌跡長は35cmから40cmに増加することが報告されています。このことから、腓腹筋の筋力低下も重心動揺に影響を与えるものの、ヒラメ筋の影響の方が顕著であることが示唆されます。

 

**結論**  
ヒラメ筋と腓腹筋の筋力低下は、立位における重心動揺に異なる影響を及ぼします。ヒラメ筋の筋力低下は重心動揺の増加により大きな影響を与えるため、特に高齢者やバランス機能に問題を抱える人々においては、ヒラメ筋の強化が重要です。腓腹筋も重要ですが、ヒラメ筋の役割がより顕著であることが数値的に示されています。


[1] https://www.kio.ac.jp/nrc/2018/03/29/kio_journalclub_20180329/
[2] https://ken.ieice.org/ken/paper/20161207ZbOy/
[3] https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2002/0/2002_0_515/_article/-char/ja/
[4] https://www.kio.ac.jp/nrc/category/journal-club/page/2/
[5] https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/59/1/59_1_143/_pdf
[6] https://rehab.cloud/mag/3111/
[7] https://cir.nii.ac.jp/crid/1390001205564346496
[8] https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/26094/files/28078
[9] https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/27/1/27_1_47/_pdf
[10] https://www.stroke-lab.com/speciality/4484
[11] https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/62/6/62_492/_pdf
[12] https://www.wam.go.jp/content/wamnet/sppub/top/column/kaigogijyutu/kaigogijyutu007.html
[13] https://researchmap.jp/read0132381/misc/42593757