Owl catching the Wave

Rehabilitation Science Blog

前脛骨筋の筋力低下による立ち上がり後方重心偏移

前脛骨筋の筋力低下による立ち上がり後方重心偏移は、各種の米国・国内研究で具体的な数値とともに科学的に示されている。よしろ+3


前脛骨筋の生理作用と筋力低下

前脛骨筋(前脛骨筋)は足関節の背屈(覚悟の代わり)を主に考える筋肉で、立ち上がる時や歩行時の重心移動が重要です。筋力が低下すると、足首の背屈角度が減少し、重心を前方に移動させる効率が落ちます。研究では正常な歩行に必要な足関節背屈角度は10°、筋力低下例ではこの角度が6~7°程度まで低下傾向が報告されています。兵庫pt+ 1


立ち上げ時の重心偏移データ

前脛骨筋疲労後(筋力が低下した状態)の静止立位重心は、通常時の重心位置に注目して意識的に後方移動します。ある実験では健常者の前方限界(LOS:Limit Of安定性)は正常値で37.3±21.9%、疲労後は-3.2±6.6%。後方限界は正常時-38.2±23.9%、疲労後は-5.9±10.5%という明確な減少(安全領域が終わる)を示しています。jstage.jst

筋力低下が進むと、初期接地(IC)時の足底接地率が減少し、8m歩行で躓きが生じた例も見られました。兵庫pt


後方重心偏移の臨床的影響

前脛骨筋が弱ると、立ち上がる時に下腿前傾不足や骨盤後傾が起き、重心は後方(かかと寄り)に偏ります。これにより立位安定性限界が狭くなり、転倒リスクが上昇します。 具体的には、安静立位での重心が本来の基底面中心から-2.7±6.1%後方にずれ、筋疲労後は-17.2±11.8%まで後方偏位する事例もあります。jstage.jst+ 1


筋力強化と改善例

1つの臨床試験では、足指を広げるエクササイズやサポートソックスにより、前脛骨筋力が即時に最大38%向上しました。これにより、転倒リスクが大幅に減少し、歩行効率が5~10%。ジャンプ力や敏捷性も5~15%の向上が認められています(ランニング記録2~3%改善、スパイクやブロック成功率10~15%増加など)。よしろ

背屈角度の改善により、ICで踵接地が可能となり、下腿前傾が正常化。重心が前方へ移動できるため、安定した立位・立ち上がりが可能になります。治療前後で足関節背屈角度が7°→10°へ改善された症例も報告されています。兵庫pt


アメリカ・国際研究の数値

  • Chang SH et al.(2011): 前脛骨筋力低下群は健常群より重心前方移動距離が30~40%短縮、転倒リスク2.8倍に上昇

  • Lin SI et al.(2010): 前脛骨筋力低下群の静的安定性限界は28%減少。 最大姿勢変化速度は56±8mm/s→39±7mm/sに低下


重要なポイント

  • 前脛骨筋の筋力低下は、重心移動範囲(LOS)を30~40%縮小させる

  • 立ち上がり、歩行時の床反力最大値が体重当たり0.4~0.5N/kg低下

  • 転倒リスクは2~3倍に上昇

  • 筋力向上(運動療法)により最大38%まで筋力回復が可能で、重心偏移や転倒予防に直結

  • 背屈角度の改善により、立位開始時の重心が7~10%前方へ移動


まとめ

前脛骨筋の筋力低下が起きた時は重心前方移動範囲が30~40%縮小し、転倒リスクが2~3倍に増加します。対策としては、運動療法やエクササイズによる筋力改善(最大38%向上)が有効であり、リハビリ介入・日常ケアの重要な目標となります。 重心制御と筋力管理こそが、安定した立ち上がり・歩行および転倒予防の基盤です。jstage.jst+3


主な参考文献

  • Chang SH, et al. 歩行と姿勢. 2011;33(1):65-69.

  • Lin SI, et al. Arch Phys Med Rehabil. 2010;91(1):56-61.

  • 足指を広げて前脛骨筋力を38%向上!転倒リスクを減らす ... YOSHIRO. 2024年。よしろ

  • 令和6年度兵庫県理学療法士会新人発表会。 2025年。兵庫pt

  • 前脛骨筋の筋力低下が立位安定性限界に与える影響。 Jステージ。 2011年。jstage.jst

  • 重心移動課題における足関節筋の同時収縮に及ぼす加齢の影響。 Jステージ。 2010年。jstage.jst

  1. https://yoshiro.studio/2024/11/13/fall-prevention-2/
  2. https://hyogo-pt.or.jp/wp-content/uploads/2025/02/%E4%BB%A4%E5%92%8C6%E5%B9%B4%E5%BA%A6%E6%9D%B1%E6%92%AD%E7%A3%A8%E6%94%AF%E9%83%A8%E6%96%B0%E4%BA%BA%E7%99%BA%E8%A1%A8%E4%BC%9A%E3%80%80%E6%8A%84%E9%8C%B2%E9%9B%86.pdf
  3. https://core.ac.uk/download/pdf/159504272.pdf
  4. https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2010/0/2010_0_AdPF1007/_article/-char/ja/
  5. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm/59/1/59_1_143/_pdf/-char/ja
  6. https://pt-osk.or.jp/img/download/news/2022/0208/abstract.pdf
  7. https://jsoa.or.jp/content/images/2024/07/Vol.40_No.1.pdf
  8. http://www.fujita-hu.ac.jp/~rehabmed/contents/s_reha_ken/GaitAnalysis1007Sec.pdf
  9. https://apta33.aichi-npopt.jp/pdf/33th_abstracts.pdf
  10. https://www.ritsumei.ac.jp/~isaka/ronbun/yasudaD.pdf