慢性疼痛と筋膜の関係

痛みは、急性痛と慢性痛に分類されます。急性痛は、外傷や疾患などによる組織の損傷に対する反応として起こります。一方、慢性痛は、一定期間以上持続する痛みで、原因が明確でない場合が多く、神経系の異常が関与していることがあります。

 

急性痛は、組織の損傷程度と釣り合っているものを指します。つまり、急性痛は、身体に生じた危険を警告信号として伝え、危険からの逃避や損傷組織の修復など生体防御反応を賦活する役割を担っています。急性痛は、基本的に一過性かつ局所的で、ケガや病気が治ると痛みもなくなります。

 

一方、慢性痛は、組織損傷の程度と釣り合っていないものを指します。つまり、慢性痛は、警報としての役目は薄くなり、神経や脊髄の損傷や心理的・精神的な要因で痛みを感じている状態といえます。慢性痛は、時間が経過しても治まらず、日常生活に支障をきたすことがあります。

 

急性痛と慢性痛の違いは、単なる持続期間の違いではありません。両者では、痛みが起こる原因やメカニズムが異なります。急性痛は身体に生じた危険を知らせるシグナルであり、正常(生理的)な反応です。一方、慢性痛は異常(非生理的)な反応であり、神経系の異常が関与していることがあります。

 

上記に触れたように、慢性痛、または慢性疼痛とは、急性疾患の通常の経過あるいは創傷の治癒に要する妥当な時間を超えて持続する痛みと定義されています。ここで相当な時間としては、3ヶ月または6ヶ月が挙げられています。慢性疼痛は、患者が痛みを感じると訴える部分の組織を検査しても炎症など明確な異常が見られず、精神的要因や社会生活が影響していると考えられるケースもあります。投薬で治らず、痛みを感じることが精神的な負担となって痛みへさらに過敏になる悪循環に陥ることもあり、深刻なクオリティ・オブ・ライフ(QOL)低下をもたらすことがあります。

 

また、話は変わって筋膜についてです。筋膜とは、筋肉を覆う結合組織のことで、筋肉の動きをスムーズにする役割があります。筋膜は層によって、浅筋膜、深筋膜に、またはその機能と解剖学的位置によって、内臓筋膜(臓側筋膜)頭頂筋膜(壁側筋膜)などに分類されます。筋膜はコラーゲンを主成分としている点で靭帯や腱に類似していますが、所在と機能が異なります。靭帯は骨と骨を結合し、腱は筋肉と骨を結合し、筋膜は筋肉やその他の組織を包みます。

 

筋膜が硬くなると、周围と癒着して炎症を起こし、痛みを生じることがあります。筋肉の使い過ぎや、逆に長時間同じ姿勢のまま動かないことによって筋膜が硬くなり、周围と癒着して炎症を起こすことで痛みを生じます。

 

筋膜性疼痛症候群は、筋肉や骨格系の異常に起因する慢性疼痛を特徴とする症候群です。筋肉を覆う結合組織(筋膜)の痛みや炎症が原因とされています。

 

先に述べたように筋膜とは、筋肉を覆う結合組織のことで、筋肉の動きをスムーズにする役割があります。筋膜は層によって、浅筋膜、深筋膜に、またはその機能と解剖学的位置によって、内臓筋膜(臓側筋膜)頭頂筋膜(壁側筋膜)などに分類されます。筋膜はコラーゲンを主成分としている点で靭帯や腱に類似していますが、所在と機能が異なります。靭帯は骨と骨を結合し、腱は筋肉と骨を結合し、筋膜は筋肉やその他の組織を包みます。

 

筋膜が硬くなると、周围と癒着して炎症を起こし、痛みを生じることがあります。筋肉の使い過ぎや、逆に長時間同じ姿勢のまま動かないことによって筋膜が硬くなり、周围と癒着して炎症を起こすことで痛みを生じます。

 

慢性的なストレスや不安定な生活リズム、不規則な食生活や睡眠不足なども、身体のバランスを崩し、筋膜性疼痛症候群の原因となることがあります。

 

慢性疼痛の診断は、患者の症状や病歴、身体検査、画像検査などを通じて行われます。慢性疼痛とは、3カ月以上続く、または急性組織損傷の回復後1カ月以上続く、または治癒に至らない病変に随伴する疼痛です。

 

慢性疼痛の評価法として、VAS(Visual Analog Scale)やNRS(Numerical Rating Scale)などがよく用いられます。近年では、Face Visual Analog Scaleや神経選択的電流知覚検査(CPT検査)なども多用されています